ぶどう(葡萄)|旬・糖度・品種・歴史がわかる果物図鑑

漿果類7/11

世界樹の書庫 くだもの図鑑

ぶどう

ぶどう(Grape)の姿と断面

糖分の主体はブドウ糖と果糖で、エネルギーに変わりやすい果物。欧州系・米国系とそれらの交配種があり、国内でも多くの品種が生まれています。房の上の方ほど甘いといわれます。

ぶどうの基本データ

分類ブドウ科 ブドウ属 (漿果類)
学名Vitis spp.
英名Grape
原産地黒海〜カスピ海沿岸(欧州種)、北アメリカ(米国種)
糖度の目安16〜22度(とても高い)
酸度の目安0.3〜0.8%(穏やか)
8月・9月
主な産地山梨・長野・岡山

ぶどうの旬はいつ?

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濃い色=最盛期 薄い色=出回り期(国産)

ぶどうがもっともおいしい時期は8月・9月です。産地や品種、栽培方法によって前後します。

ぶどうの歴史と名前の由来

ヨーロッパブドウは5000年以上前に黒海とカスピ海の間の地域で栽培が始まり、ワイン造りとともに世界へ広がりました。日本では山梨県の「甲州」が約800年前に見つかったと伝えられ、日本最古の品種です。明治以降は欧米から多くの品種が導入され、1882年のデラウェア、1940年に新潟の川上善兵衛が育成したマスカット・ベーリーA、戦中に静岡で生まれた巨峰などが続きました。

ぶどうの主な産地

山梨県と長野県がそれぞれ約2割を占め、岡山・山形・福岡が続きます。世界では中国が最大で、イタリア、フランス、スペイン、アメリカが続き、生産量の多くはワイン用です。

ぶどうの品種(20品種)

ぶどうには多くの品種があります。交配親・糖度・酸味・旬を一覧にまとめました。

品種交配親糖度酸味特徴
巨峰
きょほう
石原早生 × センテニアル 17〜20度 少ない 7〜9月 「ぶどうの王様」と呼ばれる大粒の黒ぶどう。研究所から見えた富士山にちなんで名付けられました。果汁が多く濃厚な甘さで、長く国内で最も多く作られてきた品種です。現在は種なし栽培が主流です。
シャインマスカット
しゃいんますかっと
安芸津21号 × 白南 18〜21度 ごく少ない 8〜10月 マスカットの香り、皮ごと食べられる手軽さ、種なしの三拍子がそろった大人気品種。酸味が少なく高糖度で、日持ちもよいため急速に広まりました。苗木が海外に流出して無断で栽培された問題をきっかけに、品種の海外持ち出しを制限する法改正も行われました。
ナガノパープル
ながのぱーぷる
巨峰 × リザマート 18〜21度 少ない 8〜10月 皮ごと食べられる種なしの黒ぶどう。巨峰ゆずりの濃厚な甘みと、パリッとした皮の食感が特徴です。長野県のオリジナル品種で、栽培は長野県内に限られています。
ピオーネ
ぴおーね
巨峰 × カノンホール・マスカット 18〜20度 ほどよい 8〜9月 巨峰よりさらに大粒で、甘みの中にほどよい酸味がある黒ぶどう。岡山県が最大の産地で、種なしのものは「ニューピオーネ」とも呼ばれます。名前はイタリア語で「開拓者」の意味です。
デラウェア
でらうぇあ
偶発実生(アメリカ系) 18〜23度 ほどよい 5〜8月 小粒で甘みの強い種なしぶどうで、ハウス物は5月頃から出回ります。植物ホルモンのジベレリンで種をなくす栽培法は、1950年代末に日本でこの品種のために開発されました。
マスカット・オブ・アレキサンドリア
ますかっとおぶあれきさんどりあ
—(古代からの品種) 17〜20度 ほどよい 6〜10月 古代エジプトでも栽培されていたとされる、世界で最も古い品種のひとつ。気品のあるマスカット香から「果物の女王」とも呼ばれます。日本では岡山県の温室栽培が有名です。
甲州
こうしゅう
ヨーロッパブドウに中国の野生種の血が入ったもの(DNA分析) 16〜19度 ほどよい 9〜10月 日本最古のぶどう品種で、白ワイン「甲州」の原料として国際的にも認められています。シルクロードを経て中国から伝わった欧州系ぶどうの子孫と考えられています。生食ではさっぱりした甘さです。
マスカット・ベーリーA
ますかっとべーりーえー
ベーリー × マスカット・ハンブルグ 18〜20度 ほどよい 9〜10月 「日本ワインぶどうの父」川上善兵衛が、日本の気候に合うよう育成した品種。赤ワインの原料として代表的で、国際的なワイン用品種としても登録されています。生食では甘い香りが楽しめます。
藤稔
ふじみのり
井川682号 × ピオーネ 17〜19度 少ない 8〜9月 ピンポン玉ほどになる極大粒の黒ぶどう。果汁が多く、甘みも十分。育成地の藤沢と、実りへの願いから名付けられました。
キャンベル・アーリー
きゃんべるあーりー
—(アメリカ系の交雑種) 15〜17度 ほどよい 8〜9月 アメリカ系の品種で、独特の甘い香り(フォクシー香)が特徴。寒さや病気に強く、東北・北海道で多く作られ、ジュースやジャムにも使われます。
ナイアガラ
ないあがら
コンコード × キャサディ 17〜20度 少ない 9〜10月 黄緑色のアメリカ系ぶどうで、強く甘い香りが特徴。果汁が多く、生食のほかジュースや甘口の白ワインにも使われます。
コンコード
こんこーど
アメリカの野生種(ラブルスカ)の実生 16〜18度 ほどよい 9〜10月 ぶどうジュースの原料として世界的に有名な品種。濃い紫色と強い香りが特徴です。長野県塩尻市の桔梗ヶ原は、ジュース・ワイン用ぶどうの産地として知られます。
スチューベン
すちゅーべん
ウェイン × シェリダン 18〜21度 少ない 9〜1月 糖度が高く、甘みが濃厚な黒ぶどう。日持ちが非常によく、冷蔵貯蔵で年明けまで出回ります。青森県が最大の産地です。
クイーンニーナ
くいーんにーな
安芸津20号 × 安芸クイーン 20〜21度 ごく少ない 8〜9月 大粒の赤ぶどうで、酸味が少なく糖度が高いのが特徴。果肉は硬めで歯ごたえがあります。
クイーンルージュ
くいーんるーじゅ
ユニコーン × シャインマスカット 21〜22度 ごく少ない 9〜10月 シャインマスカットの血を引く、皮ごと食べられる種なしの赤ぶどう。糖度が高く酸味が少ない、長野県の新しいオリジナル品種です。
甲斐路
かいじ
フレームトーケー × ネオ・マスカット 18〜21度 少ない 9〜10月 明るい赤色の大粒ぶどうで、上品な甘さと歯ごたえのある果肉が特徴。日持ちがよく、晩生で10月まで出回ります。
ネオ・マスカット
ねおますかっと
マスカット・オブ・アレキサンドリア × 甲州三尺 17〜19度 少ない 8〜9月 マスカットの香りを持ちながら露地でも作りやすい品種として普及しました。甘みが強く酸味は控えめです。
ロザリオ・ビアンコ
ろざりおびあんこ
ロザキ × マスカット・オブ・アレキサンドリア 19〜21度 ごく少ない 9〜10月 大粒で甘みが強く、ほのかなマスカット香がある黄緑色の品種。皮が薄く、皮ごと食べられることもあります。名前はイタリア語で「白いロザリオ」の意味です。
瀬戸ジャイアンツ
せとじゃいあんつ
グザルカラー × ネオ・マスカット 18〜20度 ごく少ない 8〜9月 粒の先がくぼんだ桃のような形が特徴で、岡山県では「桃太郎ぶどう」のブランド名でも出荷されます。皮ごと食べられ、種もほとんどありません。
山ぶどう
やまぶどう
野生種(Vitis coignetiae) 15〜20度 強い 9〜10月 日本の山に自生する野生のぶどう。小粒で酸味が非常に強く、生食よりもジュースやワイン、ジャムに加工されます。ポリフェノールを豊富に含みます。雄株と雌株が分かれており、岩手県が最大の産地です。ヤマブドウを交配した「小公子」などのワイン用品種もあります。

おいしいぶどうの選び方

軸が緑色で太く、粒に張りがありブルームがついているもの。

ぶどうの保存方法

ポリ袋に入れて冷蔵。粒を房から外すときは軸を少し残すと日持ちする。

ぶどうの主な栄養成分

ブドウ糖カリウムポリフェノール(皮)

ぶどうの各国語の名前

raisin(仏)・Traube(独)・uva(伊・西)・葡萄(中)

糖度はBrix値、酸度は滴定酸度のおおよその目安です。品種・熟度・産地・収穫時期によって変わります。産地の順位は近年の統計にもとづく概数です。

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