製菓理論 第17章:和菓子(2)製品別の製法理論

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第4部 製品理論編

和菓子(2)製品別の製法理論

はじめに

和菓子の製法は、加熱方法によって整理される。蒸すのか、焼くのか、流し固めるのか、練るのか、打ち固めるのか。同じ材料を使っても、この加熱方法の違いが製品の性格を決定づける。上新粉と水という単純な組み合わせが、蒸せば団子になり、焼けば煎餅になる。餡に求肥を混ぜれば練切、小麦粉を混ぜて蒸せばこなしになる。本章では、餅物・蒸し物・焼き物・流し物・練り物・打ち物という6つの製法体系を、それぞれの理論とともに解説する。

1. 餅物

1-1. 餅物の原理

もち米またはもち米・うるち米由来の粉を蒸して糊化させ、ついたりこねたりして粘りを引き出す製法である。

技術の核心:でんぷんを完全にα化(糊化)させること、そしてついたりこねたりすることで生地を均質化し、適度な粘りとコシを出すこと。

最大の課題:老化(β化)による硬化。砂糖、水飴、トレハロースの配合で老化を遅らせる。

1-2. 主な製品

みたらし団子

生地:上新粉(うるち米)+水、トレハロース・片栗粉を補助的に加える。

製法:上新粉に水を加えてもみまとめ、強めの蒸気で30分蒸す。麺棒でついてまとめ、冷水で熱を抜き、再度こねる。棒状にのばして切り分け、串に刺して焼き目をつけ、たれを絡める。

由来:京都・下鴨神社の「御手洗祭(みたらしまつり)」で振る舞われた串団子にちなむ。

バリエーション:焼き目を入れず餡をつけた餡団子、蓬を加えた草団子。

柏餅

生地:上新粉+水、浮き粉(小麦でんぷん)を加える。

製法:上新粉をこねて20分蒸す → 臼でつく → 冷水で冷やす → 再度つき、水で溶いた浮き粉を加える → 餡を包む → 再蒸し6〜7分

浮き粉を加える理由:つやと食感を向上させるため。

再蒸しの理由後から加えた浮き粉をα化(糊化)させるため。餡を温めるためではない。これは試験の頻出ひっかけである。

泡切り:蒸し中に2〜3回冷気を入れ、表面の泡を消す作業。

由来:柏の葉は新芽が育つまで古い葉が落ちないことから、子孫繁栄の象徴として端午の節句に用いられる。

大福餅

生地:もち米を一晩水漬けし、蒸してつく。

製法:ついた餅を45℃くらいに保ち、湯煎にかけておく。手粉(片栗粉)はもみ込まない。二つ種(生地25g:餡25g)で包む。

豆大福:軽く蒸した赤えんどう豆を、潰さないように混ぜ込む。

良品の条件:弾力と粘性が高いこと。

桜餅(道明寺・関西風)

生地道明寺粉(もち米の糊化済み粉)+水+砂糖。

製法:水を桜色に着色し、道明寺粉を加えてお粥状に炊く。火から下ろして砂糖とトレハロースを混ぜ、休ませてから蒸す。

つや天の活用:寒天+砂糖を煮溶かした液を手蜜代わりに使用すると、乾燥防止と葉離れがよくなる。

地域性:北海道・北陸・近畿・西日本で「桜餅」といえばこの道明寺を指す。

赤飯

製法:一晩水漬けしたもち米を、小豆またはささげの煮汁で着色し、15分蒸す。コツ水(水+塩+だし)を加えて吸水させ、再度25分蒸す。

煮豆のポイント8分程度の煮加減にとどめる。完全に煮ると蒸す工程で崩れる。

由来:赤色は災いや邪気を払う力があるとされ、祝い事に欠かせない。

2. 蒸し物

2-1. 蒸し物の原理

蒸気で加熱することで、生地を乾燥させずに糊化・膨張させる製法。焼き物と異なり、表面が乾燥しないため、強い膨張力を持つ膨張剤(イスパタ)が適する第11章参照)。

2-2. 主な製品

薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)

生地:すりおろしたヤマイモ(ツクネイモ、ヤマトイモ)+上白糖+上用粉

膨らむ原理:ヤマイモの粘りが気泡を抱き込み、蒸気の熱で膨張する。膨張剤を使わないのが特徴。

関西式と関東式の違い

  • 関西式:ツクネイモを使用。イモに砂糖を加えてから粉を入れる
  • 関東式:ヤマトイモを使用。粉と砂糖を合わせてからイモを入れる

製法のポイント:上用粉は指先で折り畳むように混ぜ、手のひらでもみ込む。三つ種(生地1:餡2)で包餡し、腰高に成形する。

薬饅頭(小麦粉饅頭)

生地:上白糖+水+イスパタ+薄力粉。

名の由来:膨張剤(和菓子用語で「」)を加えることから。

製法のポイントグルテンを出しすぎないようにさっくりこねる。グルテンが出た生地は浮きが悪く、硬化の早い饅頭になる。

表面の亀裂:生地が厚い部分に出やすい。

歴史:1349年に中国から渡来した林浄因が奈良で創製したとされる。

利久饅頭

生地:薄力粉+黒砂糖+上白糖+水+水飴+重曹

重曹を使う理由:黒砂糖の風味と色に合わせ、重曹のアルカリ性による黄褐色の発色を活かす(第11章参照)。

薬ブシ対策:重曹は蜜に熱のあるうちに加えると、薬ブシ(黒い斑点)が出にくい。

由来:千利休が好んだという説、琉球饅頭が転じたという説など諸説ある。

黄味時雨

生地黄味火取り餡+卵黄+上新粉+ベーキングパウダー。

特徴:表面の亀裂の美しさが良否を決める。口どけがよい。

製法のポイント:卵黄を混ぜすぎると粘りが出て浮きが悪くなる。生地が硬いと大きく割れ、軟らかいと割れにくい。

名の由来:「時雨」は晩秋から初冬に降ったりやんだりする雨。表面の割れ模様を雨に見立てた。

浮島

生地:餡+粉類+卵+メレンゲ。

製法:別立て法でメレンゲを加え、きめ細かく蒸し上げる。色を変えて何層か重ねたり、羊羹と流し合わせたりと応用範囲が広い。

蒸し羊羹

生地:小豆並餡+砂糖+葛粉+薄力粉+塩。

歴史日本初の羊羹は蒸し羊羹である。練り羊羹は寒天の発明(江戸時代)以降に誕生した。

食感:練り羊羹より弾力があり、もっちりとしている。

製法のポイント:薄力粉を葛粉より先に入れると弾力が強く、後に入れると軟らかめになる。強い蒸気だと「鬆(す)」ができるため、火加減に注意する。

ういろう

生地:上用粉・上新粉+砂糖(多め)。

もっちりとした食感の蒸し菓子。蒸し枠に流して蒸す。

3. 焼き物(平鍋物)

3-1. 平鍋物の原理

銅製の平鍋(一文字、中花鍋)の上で、流動状の生地を焼き上げる製法。直接熱が伝わるため、火加減が仕上がりを決定する

平鍋の扱い使用後は水で洗わず、熱いうちに布で汚れをふき取る

3-2. 主な製品

どら焼き

生地:全卵+上白糖+蜂蜜+重曹+薄力粉+水。

重曹を使う理由:アルカリ性により小麦粉のフラボノイド色素が黄色く発色し、メイラード反応が促進されて美しい焼き色になる(第11章参照)。

焼成のポイント

  • 火が強すぎる → 気泡が出る前に焼き色がつき、火通りが悪くなる
  • 火が弱すぎる → 乾燥してぱさつく

気泡が出始めて焼き色がついたら裏返し、乾く程度に焼く。

「銘立ち」:気泡がよくのびている、生地がよく浮いている状態を指す和菓子用語。

まだら模様:東雲(しののめ)や虎焼きとも呼ばれる。

名の由来:銅鑼(どら)に似た形、銅鑼を鉄板代わりに焼いたなど諸説ある。関西では三笠とも呼ぶ。

桜餅(長命寺・関東風)

生地:白玉粉+水+上白糖+寒梅粉+薄力粉+上南粉。

焼成のポイント焼き色をつけない。火床160℃程度の低温で、桜色の生地を色づかないように焼く。

着色のコツ:粉が入ることを考え、生地は少し濃いめに着色する。

歴史:江戸時代に長命寺の門番・山本新六が売り出した。

きんつば

生地:小麦粉を水で撹拌し、粘りを出したもの。

餡の表面に薄く付けて焼く。皮が薄いほど良品とされる。

あゆ焼き(中花種)

生地:全卵+上白糖+蜂蜜+みりん+薄力粉+水(中花種)。

平鍋で薄く楕円形に焼き、求肥をのせて折り畳み、鮎の形にする。焼き印で目・エラ・尾びれを表現する。

ちゃぶくさ(つやぶくさ)

和菓子で数少ない炭酸アンモニウム使用製品

製法の最大の特徴「逆ごね法」。粉を先にぬるま湯でしっかり練ってグルテンを出してから、砂糖・卵を加える。

通常の和菓子とは逆である。多くの和菓子ではグルテンを出さないようにするが、ちゃぶくさは意図的にグルテンをしっかり出す。これは試験の頻出ひっかけである。

焼成温度:どら焼きより弱く160℃程度。

名の由来:茶席の袱紗(ふくさ)にちなむ菓銘。

4. 焼き物(オーブン物)

4-1. 主な製品

長崎カステラ

生地:全卵+上白糖+水飴+蜂蜜+水+薄力粉+白双糖。

ねき蜜:水飴+蜂蜜+水を加熱溶解したもの。しっとり感を与える。

比重の目安約0.58。泡立て具合の指標となる重要な数値。

泡切り:焼成開始後、2分おきに3回、木じゃくしで底から円を描くように混ぜる。これによりきめが細かく均一な生地になる。

枠の使い方:生地の膨らみに合わせて、本枠 → 一段枠(中枠)→ 二段枠(灰枠)と積み重ねる。

焼成:上火200〜210℃、下火150〜160℃。

底の白双糖:ざらめの食感が長崎カステラの特徴となる。

東京カステラとの違い:東京カステラは1本ずつ型に入れ、蜂蜜を使わずあっさりと仕上げる。

栗饅頭

生地に白並餡を加え、しっとりとさせる。栗形に成形し、つや出し液(卵黄など)を塗って焼く。焼き上がり後すぐにはけでなでてつやを出す。

カステラ饅頭

福岡県大牟田市発祥。基本配合の生地であり、バリエーションの基準になる。

乳菓

乳製品(練乳・バター)と卵を多く使用した、しっとりとした洋風焼き菓子。練乳の糖分で砂糖も補っている点が配合上の特徴。

桃山

生地黄味火取り餡+寒梅粉+卵黄+みりん

製法のポイント:黄味火取り餡に寒梅粉を加えて休ませ、卵黄とみりんで硬さを調整して2〜3時間休ませる。木型で模様をつけて焼く。

焼き上がり後、すぐに日本酒やみりんを塗って風味を付ける。

由来:伏見桃山城の瓦の形を配したという説、豊臣秀吉が作らせたという説などがある。

5. 流し物

5-1. 流し物の原理

寒天(またはカラギーナン)で液体を固める製法。寒天の扱いが技術の核心である(第10章参照)。

最重要ポイント寒天が完全に溶けきる前に砂糖を加えると、寒天が溶けなくなる。必ず寒天を完全に溶かしてから砂糖を加える。

流し込み温度50℃前後まで冷ましてから型に流す。熱いまま流すと表面に膜が張ったり、層を重ねる場合に混ざったりする。

5-2. 主な製品

錦玉羹(きんぎょくかん)/琥珀

配合:糸寒天+水+グラニュー糖+水飴。

特徴:透明で弾力のある、夏の代表菓子。関西では琥珀とも呼ぶ。

製法:寒天を完全に溶かしてから砂糖を加え、煮詰め際に水飴を加える。細かいふるいでこし、流し型に流して常温で固める。

バリエーション:道明寺羹(みぞれ羹)、吉野羹、淡雪羹、上南羹。

水羊羹

配合:糸寒天+水+グラニュー糖+小豆並餡+

塩を入れるタイミング上がり際に入れる。甘みを整え、水臭さをなくす効果がある。

冷却のポイント急に冷やすと離水しやすい。常温になってから冷蔵庫に入れる。

葛を使う場合:沸騰中に水溶きした葛を入れ、十分に加熱する。

練り羊羹

配合:糸寒天+水+グラニュー糖+小豆並餡+水飴(Brix65%)。

歴史江戸時代に寒天が発明されて誕生した。それ以前の羊羹は蒸し羊羹だった。

製法:寒天を溶かしてこし、砂糖を加えて沸騰させ、餡を小分けに入れる。垂らした羊羹で円が残る程度になったら水飴を加える。

保存性:糖度が高く十分に練り上げるため、水分活性が低く長期保存が可能。

「シンプルな材料でごまかしがきかない」菓子とされる。

淡雪羹

錦玉羹にメレンゲを合わせたもの。新雪のようなはかない口どけが特徴。寒天液を50℃まで冷ましてからメレンゲに加える。

6. 練り物

6-1. 練り物の原理

餡につなぎを加えて練り上げ、成形できる生地にする製法。上生菓子の中心をなす技法である。

6-2. 練切とこなしの違い

これは和菓子理論における最重要の区別である。

練切こなし
つなぎ求肥など小麦粉・餅粉
加熱加熱して練る蒸す
主な地域関東中心関西中心
食感軽やか。作業性がよい重厚感。もっちり
用途上生菓子全般茶席の菓子

練切

配合:白並餡(やや硬め)+求肥+水。

製法:白並餡を加熱してやや硬くし、熱いうちに求肥を入れてよく練り、弱火で加熱する。濡れ布巾の上で冷まし、冷める過程で何回かもみ混ぜる(皮張り防止)。

こなし

配合:白並餡(やや硬め)+薄力粉+餅粉。

製法:白並餡を加熱して粉類を加えてこね、セイロウで30分蒸す。取り出してよくもみ、手蜜を付けながら乾かないようにラップで冷ます。

注意点:乾燥しやすく日持ちしない。

着色のコツ:作業台に手蜜を塗り、色素を垂らして広げ、その上で生地をもむときれいに混ざる。

6-3. 求肥

配合:餅粉+水+上白糖+水飴。

名の由来:なめらかさが牛の皮に似ていることから「牛皮」→「求肥」と表記が変化した。

3つの製法

  • 蒸し練り法:餅粉と水をこねて蒸してから練る
  • 水練り法:水を加えながら直接練る
  • ゆで練り法:餅粉と水をこねてゆでてから練る

製法のポイント(蒸し練り法):蒸した後、鍋で弱火で練り、上白糖を3回に分けて練り込む。最後に水飴を加え、手の甲に付かなくなるまで練り上げる。熱いうちに作業する。

水飴の役割:シャリ止めと保水(第1章参照)。

6-4. 雪平(せっぺい)

求肥に卵白(メレンゲ)が入り、より白くふわりとした食感になった餅生地。純白に仕上がるため、上生菓子や引き菓子に多用される。

配合のポイント:白並餡を入れると弾力が弱くなるが成形しやすくなる。卵白を入れすぎると口あたりが悪くなる

7. 打ち物・干菓子

7-1. 打ち物の原理

糊化済み(α化)の粉と砂糖を、蜜で湿らせて木型に詰め、押し固める製法。加熱しないため、粉の状態と蜜の量が仕上がりを決める

7-2. 落雁

配合:上白糖+ねき水+片栗粉+寒梅粉

ねき水(しとり蜜):水+水飴を沸騰させて冷ましたもの。

製法:上白糖とねき水をもみ混ぜ、片栗粉を加えてしっかりもみ、寒梅粉をさっくり混ぜる。ふるいでこし、木型に打ち粉をして生地を詰め、玄べらで平らにする。傾けて取り出し、50℃のホイロで1時間乾燥させる。

失敗の原因

  • ねき水が多い → 模様が出ない
  • ねき水が少ない → 崩れやすい
  • 寒梅粉を入れてからもみすぎる → ダマになる

名の由来:中国の「軟落甘」が転じたという説、近江八景の「堅田の落雁」にちなむという説がある。

7-3. 有平糖(あるへいとう)

配合:グラニュー糖+水飴+水。

製法:グラニュー糖と水を沸騰させ、水飴を加えて135〜145℃まで煮詰める。冷やし鍋に移して冷まし、80℃まで冷ましてから飴ランプで温めながら成形する。

引き飴:白くする場合は、引きながら空気を抱き込ませる。

注意点煮詰まってから水が入るとシャル(再結晶)の原因になる。冷やし鍋は事前に焼き込み、サラダ油を塗っておく。

歴史:室町時代にポルトガルから伝来。ポルトガル語のアルフェロア(alféloa=砂糖練り飴)が語源。

7-4. その他の半生菓子・干菓子

もなか:餅を薄くのばして型に挟んで焼いた皮種に、餡を詰める。

すはま:きな粉に砂糖・水飴・求肥を混ぜてこねる。

甘納豆:豆を軟らかく煮て、低糖度から高糖度の蜜に順次漬け、砂糖をかけて乾かす。一度に高糖度の蜜に漬けると、浸透圧で豆が縮んでしまうため、段階的に糖度を上げる。

焼き松葉:長寿を意味する老松を表した干菓子。炭酸アンモニウムを使用する、和菓子では数少ない製品。

8. 工芸菓子の生地

雲平生地(もみ雲平):粉糖+寒梅粉+水。乾きが早く作業性がよいが割れやすい。白いので着色に向く。花弁や葉に使用。

餡平生地:白火取り餡+上白糖+上新粉+餅粉を蒸して使用。乾きが遅いので、木の枝・茎・つるなど形を整えたい部分に向く。雲平より丈夫でひびが入りにくく、つやも出やすい。

試験対策:よくある間違いポイント

試験でよく出る「ひっかけ」の文です。正しいか間違いか、選んでから答えを確かめてください。

Q1柏餅の再蒸しは餡を温めるため

正しくは:後から加えた浮き粉をα化(糊化)させるため。

Q2ちゃぶくさはグルテンを出さないようにこねる

正しくは:逆ごね法でグルテンをしっかり出す。和菓子では例外的。

Q3ちゃぶくさに使う膨張剤はベーキングパウダー

正しくは:炭酸アンモニウムを使用する。

Q4薯蕷饅頭は膨張剤で膨らませる

正しくは:ヤマイモの粘りが気泡を抱き込み、蒸気で膨張する。膨張剤は使わない。

Q5薬饅頭の『薬』とは漢方のこと

正しくは:「薬」は膨張剤を指す和菓子用語。

Q6薬饅頭はグルテンをしっかり出してこねる

正しくは:グルテンを出しすぎないようさっくりこねる。出すと浮きが悪く硬化が早い。

Q7日本初の羊羹は練り羊羹

正しくは:日本初の羊羹は蒸し羊羹。練り羊羹は寒天の発明後に誕生した。

Q8寒天は溶けきる前に砂糖を加えてもよい

正しくは:溶けきる前に砂糖を加えると寒天が溶けなくなる。

Q9水羊羹の塩は最初に入れる

正しくは:塩は上がり際に入れる。甘みを整え水臭さをなくす。

Q10流し物は熱いうちに型に流す

正しくは:50℃前後まで冷ましてから流す。

Q11水羊羹は急冷すると品質がよくなる

正しくは:急に冷やすと離水しやすい。常温になってから冷蔵する。

Q12練切は小麦粉をつなぎにする

正しくは:練切のつなぎは求肥など。小麦粉をつなぎにして蒸すのはこなし。

Q13こなしは関東中心の生地

正しくは:こなしは関西中心。練切が関東中心。

Q14求肥の製法は蒸し練り法のみ

正しくは:蒸し練り・水練り・ゆで練りの3製法がある。

Q15カステラの比重の目安は0.85

正しくは:約0.58。

Q16カステラの泡切りは焼成前に1回だけ行う

正しくは:焼成中に2分おきに3回行う。

Q17甘納豆は最初から高糖度の蜜に漬ける

正しくは:低糖度から高糖度へ順次漬ける。

Q18有平糖は160〜170℃まで煮詰める

正しくは:135〜145℃まで煮詰める。
結果:

まとめ

和菓子の製法は加熱方法により体系化される。餅物はでんぷんの糊化とつき・こねによる均質化が核心であり、柏餅の再蒸しは浮き粉のα化という明確な目的を持つ。蒸し物では、薯蕷饅頭がヤマイモの粘りで膨張剤なしに膨らみ、薬饅頭はイスパタでグルテンを抑えて浮かせる。焼き物では平鍋物の火加減が仕上がりを決め、どら焼きの重曹は焼き色を、ちゃぶくさの逆ごね法は和菓子では例外的にグルテンを活かす。流し物は寒天を完全に溶かしてから砂糖を加え、50℃で流すという手順が絶対であり、練り物では練切(求肥つなぎ・関東)とこなし(小麦粉つなぎ・関西)の区別が基本となる。打ち物は加熱せず、ねき水の量が模様の出来を左右する。すべての製法は、材料の性質をどう引き出し、どう抑えるかという理論の上に成り立っている。

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