洋なし(洋梨)|旬・糖度・品種・歴史がわかる果物図鑑

仁果類5/6

世界樹の書庫 くだもの図鑑

洋なし

洋なし(European pear)の姿と断面

収穫後に追熟させてから食べる果物で、とろけるような舌触りと濃厚な香りが特徴。国産の多くを山形県が占めます。

洋なしの基本データ

分類バラ科 ナシ属 (仁果類)
学名Pyrus communis
英名European pear
原産地ヨーロッパ中南部〜西アジア
糖度の目安13〜16度(高め)
酸度の目安0.2〜0.4%(穏やか)
11月・12月
主な産地山形・新潟・青森

洋なしの旬はいつ?

123456789101112

濃い色=最盛期 薄い色=出回り期(国産)

洋なしがもっともおいしい時期は11月・12月です。産地や品種、栽培方法によって前後します。

洋なしの歴史と名前の由来

有史以前からヨーロッパで栽培され、17〜19世紀のフランスやベルギーで品種改良が大きく進みました。日本には明治初期に伝わり、1868年にイギリス生まれの「バートレット」、1903年にフランス生まれの「ラ・フランス」が導入されました。ラ・フランスは見た目が地味で、山形では長くバートレットの受粉樹として植えられていましたが、追熟の技術が広まって生食用の人気品種になりました。

洋なしの主な産地

山形県が国内の約6〜7割を占め、新潟・青森・長野が続きます。世界では中国、アメリカ、アルゼンチン、イタリアなどが主産地です。

洋なしの品種(7品種)

洋なしには多くの品種があります。交配親・糖度・酸味・旬を一覧にまとめました。

品種交配親糖度酸味特徴
ラ・フランス
らふらんす
偶発実生 13〜16度 ほどよい 11〜12月 国産洋なしの約6割を占める代表品種。収穫後に2〜3週間追熟させると、とろけるような果肉と芳醇な香りになります。本国フランスではほとんど栽培されていません。「フランスを代表するにふさわしい」として名付けられたといわれます。
ル・レクチエ
るれくちえ
14〜17度 少ない 12月 新潟県の特産で、11月上旬に収穫して約40日追熟させ、12月に出荷されます。熟すと鮮やかな黄色になり、なめらかな舌ざわりと華やかな香り、濃厚な甘さが楽しめます。
バートレット
ばーとれっと
偶発実生 12〜14度 ほどよい 8〜9月 世界で最も多く栽培されている洋なしのひとつで、缶詰の原料としても有名。イギリスでは「ウィリアムズ」と呼ばれ、アメリカで広めた人物の名がバートレットです。夏から出回り、追熟は約10日と短めです。
マルゲリット・マリーラ
まるげりっとまりーら
12〜14度 ほどよい 9月 大玉で果汁が多い早生の洋なし。9月から出回り、洋なしの季節の始まりを告げます。バターのような濃厚な舌ざわりが特徴です。
オーロラ
おーろら
マルゲリット・マリーラ × バートレット 13〜15度 少ない 9〜10月 ラ・フランスより早い時期に出回る品種。果肉がなめらかで果汁が多く、甘みが強めです。
ゼネラル・レクラーク
ぜねらるれくらーく
14〜16度 ほどよい 11〜12月 大玉の晩生品種で、青森県で多く栽培されています。甘みと酸味のバランスがよく、芳香が強いのが特徴です。
シルバーベル
しるばーべる
ラ・フランスの自然交雑実生 14〜16度 ほどよい 11〜1月 ラ・フランスから生まれた大玉品種で、ラ・フランスより遅く出回ります。甘みと酸味がともに濃く、日持ちがよいのが特徴です。

おいしい洋なしの選び方

皮に傷がなく、形のよいもの。軸の周りを軽く押して柔らかければ食べ頃。

洋なしの保存方法

硬いうちは常温で追熟させ、食べ頃になったら冷蔵して早めに食べる。

洋なしの主な栄養成分

食物繊維カリウム

洋なしの各国語の名前

poire(仏)・Birne(独)・pera(伊・西)・西洋梨(中)

糖度はBrix値、酸度は滴定酸度のおおよその目安です。品種・熟度・産地・収穫時期によって変わります。産地の順位は近年の統計にもとづく概数です。

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