栄養学 第9章:ホルモンと食欲の調節

第9章

栄養学 第二部 からだの中のはなし

ホルモンと食欲の調節

はじめに

おなかがすいた、と感じるのはなぜだろう。たくさん食べると、もう入らない、と感じるのはなぜだろう。そして、甘いものを食べて血糖値が上がっても、しばらくすると元に戻るのはなぜだろう。

体の中では、食べる量や、血液中の糖・カルシウム・水分・塩分の量が、いつもちょうどよい範囲に保たれるよう、休むことなく調節が行われている。その調節を担っているのが、神経とホルモンである。

本章では、ホルモンのしくみと主なホルモンの一覧を示したうえで、食欲を調節するしくみ、血糖値を調節するホルモン、カルシウムや水分・塩分を調節するホルモン、代謝やストレスにかかわるホルモンを整理する。第8章までに学んだ栄養素の代謝が、どのように調節されているかを見ていこう。

1. ホルモンとは

1-1. ホルモンのしくみ

ホルモンとは、体の特定の器官(内分泌腺)でつくられ、血液にのって運ばれ、離れた場所にある特定の器官(標的器官)にはたらきかけて、その機能を調節する物質である。

  • ごく微量で、大きなはたらきをする
  • 決まった標的器官にしか作用しない。標的器官の細胞には、そのホルモンを受け取る「受け皿」(受容体)がある
  • 神経による調節が速く短いのに対し、ホルモンによる調節は、ゆっくりで長く続く

1-2. 内分泌と外分泌

種類分泌のしかた例
内分泌分泌物を血液の中に出す(管がない)ホルモン
外分泌分泌物を管を通して体の外や消化管の中に出す消化液、汗、涙、唾液

膵臓は、膵液を十二指腸に出す外分泌のはたらき(第7章参照)と、インスリンなどのホルモンを血液に出す内分泌のはたらきの、両方をもっている。

1-3. ホルモンの種類

種類材料例
ペプチドホルモンアミノ酸がつながったものインスリン、グルカゴン、成長ホルモン、抗利尿ホルモン
ステロイドホルモンコレステロールコルチゾール、アルドステロン、性ホルモン
アミン型ホルモンアミノ酸(チロシン)アドレナリン、甲状腺ホルモン

ステロイドホルモンの材料がコレステロールであることは、第3章で学んだ。

1-4. フィードバック調節

ホルモンの量は、多すぎたり少なすぎたりしないよう、自動的に調節されている。たとえば、甲状腺ホルモンが増えると、その情報が脳に伝わり、甲状腺にはたらきかけるホルモンが減って、甲状腺ホルモンの分泌が抑えられる。このように、結果が原因に戻ってはたらきを抑えるしくみを負のフィードバックという。エアコンが、設定温度になると自動的に運転を弱めるしくみに似ている。

2. 主な内分泌腺とホルモン

内分泌腺主なホルモン主なはたらき
視床下部(脳)放出ホルモン、抑制ホルモン下垂体のホルモンの分泌を調節する。ホルモン全体の司令塔
下垂体前葉成長ホルモン骨や筋肉の成長、たんぱく質の合成。血糖値を上げる
〃甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、性腺刺激ホルモンそれぞれの内分泌腺にはたらきかける
〃プロラクチン乳汁をつくらせる
下垂体後葉抗利尿ホルモン(バソプレシン)腎臓で水を再吸収させ、尿を減らす
〃オキシトシン子宮を収縮させる、乳汁を出させる
甲状腺甲状腺ホルモン(サイロキシン)代謝を高める。ヨウ素を含む
〃カルシトニン血液中のカルシウムを下げる
副甲状腺副甲状腺ホルモン(パラトルモン)血液中のカルシウムを上げる
膵臓(ランゲルハンス島)インスリン(B細胞)血糖値を下げる
〃グルカゴン(A細胞)血糖値を上げる
副腎皮質コルチゾール(糖質コルチコイド)血糖値を上げる、ストレスに対応する、炎症を抑える
〃アルドステロン(鉱質コルチコイド)腎臓でナトリウムを再吸収させ、カリウムを排泄させる
副腎髄質アドレナリン、ノルアドレナリン血糖値・心拍数・血圧を上げる。緊張や興奮のときに出る
腎臓レニン、エリスロポエチン血圧の調節、赤血球をつくらせる
〃活性型ビタミンD腸でのカルシウムの吸収を促す
性腺(卵巣・精巣)エストロゲン、テストステロンなど性の特徴、骨の健康
胃グレリン、ガストリン食欲を高める、胃酸の分泌を促す
十二指腸・小腸セクレチン、コレシストキニン、GLP-1消化液の分泌、インスリンの分泌を促す(第7章参照)
脂肪組織レプチン食欲を抑える

副腎の皮質と髄質を区別する
副腎は、外側の皮質と内側の髄質で、出るホルモンがまったく違う。「コルチゾール・アルドステロン=皮質」「アドレナリン=髄質」と覚えておくこと。

3. 食欲の調節

3-1. 空腹感と食欲

用語意味
空腹感体がエネルギーを必要としているときに生じる、生理的な食べたいという感覚
食欲空腹感に加え、見た目・におい・味の記憶・気分・習慣などの影響を受ける、心理的な面も含む食べたいという欲求

満腹でも、好きな菓子を見ると食べたくなるのは、空腹感ではなく、食欲がはたらいているためである。

3-2. 摂食中枢と満腹中枢

食欲は、脳の視床下部にある2つの中枢によって調節されている。

中枢場所はたらき
摂食中枢視床下部の外側野刺激されると、空腹感が生じ、食べたくなる
満腹中枢視床下部の腹内側核刺激されると、満腹感が生じ、食べるのをやめる

3-3. 中枢にはたらきかけるもの

状態体の中の変化結果
空腹のとき血糖値が下がる、体脂肪が分解されて血液中の遊離脂肪酸が増える、胃からグレリンが出る摂食中枢が刺激され、空腹を感じる
食後血糖値が上がる、インスリンが出る、胃が膨らむ(胃の壁が伸びる)、小腸から消化管ホルモンが出る満腹中枢が刺激され、満腹を感じる

食べ始めてから満腹を感じるまでには、15〜20分ほどかかる。早食いをすると、満腹中枢がはたらく前に食べすぎてしまう。よくかんで、ゆっくり食べることは、食べすぎを防ぐことにつながる。

3-4. レプチンとグレリン

近年、食欲を調節するホルモンとして注目されているのが、レプチンとグレリンである。

ホルモン出るところはたらき増えるとき
レプチン脂肪組織(脂肪細胞)満腹中枢にはたらき、食欲を抑える。エネルギーの消費を高める体脂肪が増えたとき、食後
グレリン胃摂食中枢にはたらき、食欲を高める。成長ホルモンの分泌も促す空腹のとき(食事の前)
  • レプチンは、体脂肪の量を脳に知らせる役割をもつ。体脂肪が増えるとレプチンが増え、食欲を抑えて、太りすぎを防ごうとする
  • しかし、肥満の人では、レプチンが多く出ているのに、脳がその合図にうまく反応できなくなっている(レプチン抵抗性)ことが多い
  • 睡眠不足が続くと、グレリンが増え、レプチンが減って、食欲が高まりやすくなることが知られている

3-5. 食欲に影響するそのほかの要因

要因例
感覚見た目、香り、味、音(焼ける音)、食感
心理・感情ストレス、不安、楽しさ、退屈
学習・習慣食事の時間になるとおなかがすく。好きな菓子を見るとつばが出る(条件反射)
環境暑いと食欲が落ち、寒いと食欲が増す
体の状態病気、疲れ、運動、月経周期、妊娠

菓子の見た目を美しく整え、香りを立たせることは、食欲という心理的な面にはたらきかける工夫でもある。

4. 血糖値を調節するホルモン

4-1. 血糖値を下げるホルモン、上げるホルモン

血糖値は、健康な人では空腹時でおおむね70〜100mg/dL程度に保たれている(第4章参照)。脳や赤血球はブドウ糖を主なエネルギー源とするため、血糖値が下がりすぎると命にかかわる。そのため、体には血糖値を上げるしくみが何重にも備わっている。一方、下げるホルモンはインスリンだけである。

血糖値への作用ホルモン出るところ
下げるインスリン(唯一)膵臓ランゲルハンス島のB細胞(β細胞)
上げるグルカゴン膵臓ランゲルハンス島のA細胞(α細胞)
上げるアドレナリン副腎髄質
上げるコルチゾール(糖質コルチコイド)副腎皮質
上げる成長ホルモン下垂体前葉
上げる甲状腺ホルモン甲状腺

4-2. インスリンのはたらき

食事をして血糖値が上がると、膵臓のB細胞からインスリンが分泌される。インスリンは、血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませて使わせたり、たくわえさせたりすることで、血糖値を下げる。

インスリンのはたらき内容
ブドウ糖の取り込み筋肉や脂肪組織の細胞に、ブドウ糖を取り込ませる
グリコーゲンの合成肝臓と筋肉で、ブドウ糖をグリコーゲンとしてたくわえさせる
脂肪の合成余ったブドウ糖を脂肪に変えて、脂肪組織にたくわえさせる
たんぱく質の合成筋肉などでのたんぱく質の合成を促す
分解を抑える肝臓でのグリコーゲンの分解や糖新生を抑える

インスリンは、エネルギーを「たくわえる」方向にはたらくホルモンである。インスリンの出る量が足りなかったり、はたらきが悪くなったりして、血糖値が高い状態が続くのが糖尿病である(第10章参照)。

4-3. グルカゴンのはたらき

空腹になって血糖値が下がると、膵臓のA細胞からグルカゴンが分泌される。グルカゴンは、主に肝臓にはたらきかけて、血糖値を上げる。

  • 肝臓のグリコーゲンを分解して、ブドウ糖を血液中に出させる
  • 糖新生を促す
  • 脂肪の分解を促す

4-4. 1日の血糖値の動き

時間血糖値主にはたらくホルモン
食後上がるインスリンが出て、ブドウ糖を細胞に取り込ませ、グリコーゲンや脂肪としてたくわえる
食事と食事の間、夜間下がろうとするグルカゴンなどが出て、肝臓のグリコーゲンを分解し、血糖値を保つ
緊張・ストレス・運動上がるアドレナリン、コルチゾールが出て、エネルギーを確保する

4-5. 低血糖

血糖値が下がりすぎた状態を低血糖という。冷や汗、手のふるえ、動悸、強い空腹感が現れ、さらに下がると、頭がぼんやりしたり、意識を失ったりする。糖尿病の薬を使っている人に起こりやすい。低血糖のときは、すぐにブドウ糖や砂糖を含むものをとることが必要である。

5. カルシウムを調節するホルモン

血液中のカルシウムの濃さは、筋肉や神経が正しくはたらくために、ほぼ一定に保たれている(第6章参照)。

ホルモン出るところ血液中のカルシウムはたらき
副甲状腺ホルモン(パラトルモン)副甲状腺上げる骨からカルシウムを溶かし出す。腎臓でのカルシウムの再吸収を促す。ビタミンDの活性化を促す
活性型ビタミンD腎臓で活性化される上げる小腸でのカルシウムの吸収を促す
カルシトニン甲状腺下げる骨からカルシウムが溶け出すのを抑える

覚え方

  • 副甲状腺ホルモンは、カルシウムを「ふく(副)やす(増やす)」
  • カルシトニンは、カルシウムを「とにかく下げる」

6. 水分と塩分を調節するホルモン

ホルモン出るところはたらき分泌が増えるとき
抗利尿ホルモン(バソプレシン)下垂体後葉腎臓で水を再吸収させ、尿を減らす体の水分が減ったとき(脱水、汗をたくさんかいたとき)
アルドステロン副腎皮質腎臓でナトリウムを再吸収させ、カリウムを排泄させる。体の水分量を保ち、血圧を上げる血圧や体液の量が下がったとき

お酒を飲むとトイレが近くなる理由
アルコールには、抗利尿ホルモンの分泌を抑えるはたらきがある。そのため、腎臓で水が再吸収されにくくなり、尿の量が増える。お酒を飲んだときに脱水になりやすいのはこのためである。

7. 代謝を調節するホルモン

7-1. 甲状腺ホルモン

甲状腺ホルモン(サイロキシンなど)は、全身の細胞にはたらいて、代謝を高め、基礎代謝を上げる(第8章参照)。成長や発達にも欠かせない。材料としてヨウ素を必要とする(第6章参照)。

状態主な病気主な症状
甲状腺ホルモンが多すぎるバセドウ病(甲状腺機能亢進症)動悸、体重が減る、汗をかきやすい、暑がり、目が出てくる、手のふるえ
甲状腺ホルモンが少なすぎる橋本病など(甲状腺機能低下症)むくみ、体重が増える、寒がり、だるさ、無気力

生まれつき甲状腺ホルモンが足りない場合は、成長や知能の発達に障害が起こる(クレチン症)。

7-2. 成長ホルモン

下垂体前葉から出て、骨や筋肉の成長、たんぱく質の合成を促す。深く眠っているときに多く分泌されるため、「寝る子は育つ」という言葉には、科学的な裏づけがある。成長ホルモンは、大人でも、筋肉や骨を保ち、体脂肪を分解するはたらきをもつ。

7-3. 性ホルモン

女性ホルモンのエストロゲンには、骨からカルシウムが溶け出すのを抑えるはたらきや、LDLコレステロールを下げるはたらきがある。そのため、閉経後にエストロゲンが減ると、骨粗鬆症や脂質異常症になりやすくなる(第10章・第11章参照)。

8. ストレスとホルモン

ホルモン出るところはたらき
アドレナリン副腎髄質急なストレス(驚き、緊張、恐怖)ですぐに出る。心拍数・血圧・血糖値を上げ、体を「闘うか逃げるか」の状態にする
コルチゾール副腎皮質長く続くストレスで出る。糖新生を促して血糖値を上げ、エネルギーを確保する。炎症や免疫のはたらきを抑える

強いストレスが長く続くと、コルチゾールが出続け、血糖値が上がりやすくなったり、内臓脂肪がたまりやすくなったりする。ストレスで食べすぎてしまう人もいれば、反対に食欲がなくなる人もいる。

9. 体内時計と食事

人の体には、約24時間のリズムを刻む体内時計がある。体温、ホルモンの分泌、消化・吸収のはたらきなどは、1日の中で時間によって変化している。

  • 朝に光を浴び、朝食をとることで、体内時計が整えられる
  • 夜遅い時間に食べると、同じものを食べても、体脂肪としてたくわえられやすいことが知られている
  • 規則正しい時間に食事をとることは、ホルモンのリズムを整え、生活習慣病の予防にもつながる

10. 製菓とのつながり

10-1. 甘いものと血糖値

砂糖やはちみつなど、消化・吸収の速い糖を多く含む菓子を食べると、血糖値が急に上がり、それを下げるためにインスリンがたくさん出る。

血糖値の上がり方をゆるやかにするには、次のような工夫がある。

  • 食後のデザートとして、食事と一緒に楽しむ(空腹時に単独で食べるより、血糖値の上がり方がゆるやか)
  • 全粒粉、ナッツ、果物など、食物繊維を含む材料を使う
  • 卵・乳製品など、たんぱく質や脂質を含む材料と組み合わせる(ただし、エネルギーのとりすぎに注意)

10-2. 「おやつ」の時間

「おやつ」という言葉は、江戸時代の時刻の呼び方で、午後2時から3時ごろを「八つ時(やつどき)」と呼んだことに由来するといわれる。昼食と夕食の間の、少し小腹がすく時間に、間食をとる習慣から生まれた言葉である。夜遅い時間に食べるより、日中の活動している時間に菓子を楽しむほうが、体のリズムにも合っている。

10-3. 見た目と香りは食欲を動かす

焼きたての香り、つややかな果物、美しく絞られたクリーム。菓子の見た目や香りは、視床下部の中枢に直接はたらきかけ、満腹であっても「食べたい」という気持ちを起こさせる。菓子をつくる人は、人の心と体の両方にはたらきかける仕事をしている。

試験対策:よくある間違いポイント

試験に出る文です。正しい文(○)と間違った文(×)がまざっています。選んでから答えを確かめてください。

Q1インスリンは、肝臓のグリコーゲンを分解して血糖値を上げる

正しくは:それはグルカゴンのはたらき。インスリンはグリコーゲンの合成を促す

Q2成長ホルモンは、目が覚めている日中に多く分泌される

正しくは:成長ホルモンは深く眠っているときに多く分泌される

Q3グレリンは胃から分泌され、食欲を高める

この文のとおりです。

Q4甲状腺ホルモンは、基礎代謝を高める

この文のとおりです。

Q5副甲状腺ホルモンは、血液中のカルシウムを下げる

正しくは:副甲状腺ホルモンはカルシウムを上げる。下げるのはカルシトニン

Q6バセドウ病では、甲状腺ホルモンが不足し、体重が増える

正しくは:バセドウ病は甲状腺ホルモンが多すぎる病気で、体重が減る

Q7満腹中枢は、視床下部の外側野にある

正しくは:満腹中枢は視床下部の腹内側核にある。外側野にあるのは摂食中枢

Q8インスリンは、膵臓ランゲルハンス島のA(α)細胞から分泌される

正しくは:インスリンはB(β)細胞から分泌される。A細胞からはグルカゴン

Q9摂食中枢と満腹中枢は、脳の視床下部にある

この文のとおりです。

Q10ホルモンは内分泌腺でつくられ、血液によって運ばれ、標的器官にはたらく

この文のとおりです。

Q11血糖値を下げるホルモンには、インスリンとアドレナリンがある

正しくは:血糖値を下げるホルモンはインスリンだけ。アドレナリンは血糖値を上げる

Q12血糖値を下げるはたらきをもつホルモンは、インスリンだけである

この文のとおりです。

Q13グルカゴンは、血糖値を下げるホルモンである

正しくは:グルカゴンは血糖値を上げる。血糖値を下げるのはインスリンだけ

Q14抗利尿ホルモンは、尿の量を増やすはたらきがある

正しくは:抗利尿ホルモンは、腎臓で水を再吸収させ、尿の量を減らす

Q15ステロイドホルモンの材料は、ブドウ糖である

正しくは:ステロイドホルモンの材料はコレステロールである

Q16膵臓は外分泌腺であり、ホルモンは分泌しない

正しくは:膵臓は、膵液を出す外分泌と、インスリンなどを出す内分泌の両方のはたらきをもつ

Q17アドレナリンは副腎髄質から分泌され、血糖値を上げる

この文のとおりです。

Q18暑い時期は食欲が増し、寒い時期は食欲が落ちる

正しくは:暑い時期は食欲が落ち、寒い時期は食欲が増す

Q19血液中の遊離脂肪酸が増えると、満腹中枢が刺激される

正しくは:遊離脂肪酸が増えると摂食中枢が刺激され、空腹を感じる

Q20レプチンは胃から分泌され、食欲を高める

正しくは:レプチンは脂肪組織から分泌され、食欲を抑える。胃から出て食欲を高めるのはグレリン

Q21インスリンは、筋肉や脂肪組織へのブドウ糖の取り込みを促す

この文のとおりです。

Q22閉経後に女性ホルモンが減ると、骨粗鬆症になりやすくなる

この文のとおりです。

Q23カルシトニンは、血液中のカルシウムを下げる

この文のとおりです。

Q24甲状腺ホルモンの材料となるミネラルは、鉄である

正しくは:甲状腺ホルモンの材料はヨウ素である

Q25グルカゴンは、膵臓ランゲルハンス島のA(α)細胞から分泌される

この文のとおりです。

Q26コルチゾールやアルドステロンは、副腎髄質から分泌される

正しくは:コルチゾール・アルドステロンは副腎皮質から分泌される。副腎髄質からはアドレナリン

Q27アルドステロンは、腎臓でナトリウムの排泄を促し、血圧を下げる

正しくは:アルドステロンは、ナトリウムの再吸収を促し、血圧を上げる

Q28ホルモンは、管を通って体の外や消化管に分泌される

正しくは:ホルモンは血液の中に分泌される(内分泌)。管を通るのは外分泌

Q29血糖値が上がると、摂食中枢が刺激されて空腹を感じる

正しくは:血糖値が上がると満腹中枢が刺激される。空腹を感じるのは血糖値が下がったとき
結果:

まとめ

  • ホルモンは、内分泌腺でつくられ、血液で運ばれ、標的器官にはたらく微量の物質。内分泌(血液へ)と外分泌(管を通す)を区別する。膵臓は両方をもつ
  • ステロイドホルモン(コルチゾール・アルドステロン・性ホルモン)の材料はコレステロール。ホルモンの量は負のフィードバックで調節される
  • 食欲は脳の視床下部で調節される。摂食中枢=外側野(空腹感)、満腹中枢=腹内側核(満腹感)
  • 空腹時:血糖値の低下・遊離脂肪酸の増加・グレリンで摂食中枢が刺激される。食後:血糖値の上昇・インスリン・胃の膨らみで満腹中枢が刺激される。満腹を感じるまで15〜20分
  • レプチン(脂肪組織)は食欲を抑え、グレリン(胃)は食欲を高める。睡眠不足は食欲を高める
  • 暑いと食欲が落ち、寒いと増す。見た目・香り・心理・習慣も食欲を左右する
  • 血糖値を下げるのはインスリン(膵臓B細胞)だけ。上げるのは、グルカゴン(A細胞)・アドレナリン(副腎髄質)・コルチゾール(副腎皮質)・成長ホルモン・甲状腺ホルモン
  • インスリンは、ブドウ糖の取り込み、グリコーゲン・脂肪・たんぱく質の合成を促す「たくわえる」ホルモン。グルカゴンは肝臓のグリコーゲンを分解し、糖新生を促す
  • カルシウム:副甲状腺ホルモン・活性型ビタミンDが上げ、カルシトニン(甲状腺)が下げる
  • 水分・塩分:抗利尿ホルモン(下垂体後葉)が尿を減らす(アルコールで抑えられる)。アルドステロン(副腎皮質)がナトリウムを再吸収させ血圧を上げる
  • 甲状腺ホルモン(ヨウ素)は代謝を高める。多すぎる=バセドウ病(体重減少)、少なすぎる=橋本病など(体重増加)
  • 成長ホルモンは深い睡眠中に多く出る。エストロゲンの減少(閉経後)は骨粗鬆症・脂質異常症の原因に
  • 急なストレスでアドレナリン、長く続くストレスでコルチゾール。朝食と規則正しい食事は体内時計を整える

※ 本書は「日本人の食事摂取基準(2025年版)」と令和8年(2026年)9月時点の情報にもとづいています。

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