栄養学 第3章:脂質

第3章

栄養学 第一部 栄養素のはなし

脂質

はじめに

「脂質」と聞くと、太る、体に悪い、という印象をもつ人が多いかもしれない。しかし脂質は、最も効率のよいエネルギー源であり、細胞膜やホルモンの材料であり、脂溶性ビタミンを吸収するためにも欠かせない、大切な栄養素である。問題になるのは、とりすぎることと、とる脂質の「種類」のかたよりである。

菓子づくりにとって、脂質は風味と食感の要である。バターの香り、チョコレートの口どけ、パイのさくさく感、クッキーのほろほろ感は、どれも油脂の性質から生まれる。そしてその性質は、油脂を構成する脂肪酸の種類によって決まる。

本章では、脂質の種類、脂肪酸の分類と必須脂肪酸、コレステロールとリポたんぱく質、体内での使われ方、そして食事摂取基準(2025年版)の基準を整理する。

1. 脂質とは

1-1. 性質

脂質は、水に溶けず、エーテルやクロロホルムなどの有機溶媒に溶ける物質の総称である。構成元素は、炭素(C)・水素(H)・酸素(O)で、炭水化物と同じだが、酸素の割合が少なく、炭素と水素の割合が多い。

この構造のため、脂質は燃えたときに多くのエネルギーを出す。1gあたり約9kcalで、炭水化物やたんぱく質(約4kcal)の2倍以上である。少ない重さで多くのエネルギーをたくわえられるため、動物は余ったエネルギーを主に脂肪としてためている。

1-2. 「脂」と「油」

一般に、常温で固体のものを「脂(あぶら:fat)」、液体のものを「油(あぶら:oil)」と呼び分ける。

区別常温での状態主な例
脂(fat)固体バター、ラード(豚脂)、ヘット(牛脂)、ココアバター、ココナッツ油、パーム油
油(oil)液体大豆油、なたね油、オリーブ油、ごま油、魚油

一般に、動物性の脂質は固体、植物性の脂質は液体のものが多い。ただし、魚油は動物性でも液体、ココアバター・ココナッツ油・パーム油は植物性でも固体である。固体か液体かを決めているのは、動物か植物かではなく、含まれる脂肪酸の種類である(本章3参照)。

2. 脂質の分類

分類主な例特徴
単純脂質中性脂肪(トリアシルグリセロール)、ろう中性脂肪は、食品の油脂と体脂肪の主成分
複合脂質リン脂質(レシチンなど)、糖脂質細胞膜の主な成分
誘導脂質脂肪酸、ステロール(コレステロールなど)、脂溶性ビタミン単純脂質や複合脂質が分解されてできるもの、またはその仲間

2-1. 中性脂肪(トリアシルグリセロール)

グリセロール(グリセリン)1分子に、脂肪酸が3分子結びついたものである。トリグリセリド、トリグリセライドとも呼ばれる。

  • 食品に含まれる脂質の大部分(約90%以上)は中性脂肪である
  • 体の中では、脂肪組織(皮下脂肪・内臓脂肪)にたくわえられる
  • 血液検査の「中性脂肪(TG)」もこれである(第10章参照)

グリセロールに脂肪酸が2つ結びついたものをジアシルグリセロール、1つのものをモノアシルグリセロールという。

2-2. リン脂質

中性脂肪の脂肪酸の1つが、リン酸を含む成分に置き換わったものである。1つの分子の中に、水になじむ部分と油になじむ部分の両方をもつため、水と油を混ぜ合わせる(乳化する)はたらきがある。

  • 細胞膜の主な成分である。リン脂質が2層に並び、細胞の内と外を仕切っている
  • 代表的なリン脂質がレシチン(ホスファチジルコリン)で、卵黄や大豆に多い。マヨネーズやカスタードクリーム、チョコレートの乳化剤として利用される

2-3. ステロール(コレステロール)

ステロイド骨格という特別な構造をもつ脂質である。動物に含まれる代表がコレステロール、植物に含まれるものを植物ステロールという(本章5参照)。

3. 脂肪酸

脂質の性質を決めるのは、脂肪酸である。脂肪酸は、炭素が鎖のようにつながったものであり、鎖の長さと、二重結合の数によって分類される。

3-1. 鎖の長さによる分類

分類炭素の数(目安)主な例特徴
短鎖脂肪酸6個以下酪酸バターの独特の香りのもと。腸内細菌が食物繊維を発酵させてもつくられる
中鎖脂肪酸8〜10個程度カプリル酸、カプリン酸ココナッツ油、パーム核油、乳脂肪に含まれる。消化吸収が速く、エネルギーになりやすい
長鎖脂肪酸12個以上パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸食品の脂肪酸の大部分

3-2. 二重結合の数による分類

分類二重結合代表的な脂肪酸多く含む食品常温での状態
飽和脂肪酸なしパルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸バター、ラード、牛脂、ココアバター、ココナッツ油、パーム油固体になりやすい
一価不飽和脂肪酸1つオレイン酸(n-9系)オリーブ油、なたね油、アボカド、アーモンド液体
多価不飽和脂肪酸(n-6系)2つ以上リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸大豆油、コーン油、ごま油、ひまわり油、くるみ液体
多価不飽和脂肪酸(n-3系)2つ以上α-リノレン酸、EPA(イコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)えごま油、あまに油、くるみ、青魚(さば、いわし、さんま)液体
  • 飽和脂肪酸は、鎖がまっすぐで分子どうしがすき間なく並ぶため、融点が高く、常温で固まりやすい
  • 不飽和脂肪酸は、二重結合のところで鎖が折れ曲がり、すき間ができるため、融点が低く、常温で液体になりやすい。二重結合が多いほど融点は低い
  • 「n-3」「n-6」は、鎖の端から数えて何番目の炭素に最初の二重結合があるかを示している

3-3. 必須脂肪酸

体内で合成できないため、食事からとる必要のある脂肪酸を必須脂肪酸という。

  • リノール酸(n-6系)
  • α-リノレン酸(n-3系)
  • アラキドン酸(n-6系)

人の体は、n-6系とn-3系の脂肪酸をつくることができない。厳密には、リノール酸とα-リノレン酸の2つが必須で、アラキドン酸はリノール酸から体内でつくられる。ただし、アラキドン酸は体内でつくられる量が十分でないことがあるため、教科書や試験では3つを必須脂肪酸とすることが多い。

体の中での変化

系統体内での変化
n-6系リノール酸 → γ-リノレン酸 → アラキドン酸
n-3系α-リノレン酸 → EPA → DHA

これらの脂肪酸からは、血圧、血液の固まりやすさ、炎症などを調節する、ホルモンに似た物質(エイコサノイド)がつくられる。n-6系とn-3系は互いにはたらきを調整し合っているため、どちらか一方に偏らず、両方をとることが大切である。

必須脂肪酸が不足すると、皮膚炎(皮膚の乾燥や湿疹)、子どもの成長不良などが起こる。

3-4. EPAとDHA

青魚に多いEPAとDHAには、次のようなはたらきが知られている。

  • 血液中の中性脂肪を下げる
  • 血液を固まりにくくし、血栓ができるのを防ぐ
  • DHAは脳や目の網膜に多く含まれ、その発達や機能の維持に関わる

3-5. トランス脂肪酸

不飽和脂肪酸の二重結合には、形の違う「シス型」と「トランス型」がある。自然界の不飽和脂肪酸のほとんどはシス型だが、トランス型のものをトランス脂肪酸という。

できる場所例
油脂を加工するとき液体の植物油に水素を加えて固める部分水素添加の過程でできる。マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、それらを使った菓子・パン・揚げ物
自然にできるもの牛や羊などの胃の中で微生物によってつくられ、牛乳・乳製品・牛肉に微量含まれる
加熱植物油を高温で精製するときにもわずかにできる
  • トランス脂肪酸をとりすぎると、LDLコレステロール(悪玉)を増やし、HDLコレステロール(善玉)を減らす。そのため、心筋梗塞などの冠動脈疾患のリスクを高めるとされている
  • 日本人の大多数の摂取量は、WHOの目標である1%エネルギー未満を下回っている
  • 近年は製法の改良が進み、市販のマーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸は大きく減っている

3-6. 油脂の酸化

不飽和脂肪酸は、二重結合の部分が酸素と反応しやすく、酸化して劣化しやすい。油脂が酸化すると、過酸化脂質ができ、不快なにおい(油臭さ)や味の低下、食中毒に似た症状(吐き気・腹痛)の原因になる。

  • 酸化は、光、熱、空気(酸素)、金属によって進む
  • 二重結合が多い脂肪酸(n-3系など)ほど酸化しやすい
  • ビタミンE(トコフェロール)には酸化を防ぐ抗酸化作用がある。植物油やナッツにはビタミンEも多く含まれている(第5章参照)

4. 脂質のはたらき

はたらき内容
エネルギー源1gあたり約9kcal。少ない量で多くのエネルギーを得られる
エネルギーをたくわえる余ったエネルギーを体脂肪としてためる
体を守る皮下脂肪は体温を保ち(断熱)、内臓のまわりの脂肪は臓器を衝撃から守る
体をつくるリン脂質・コレステロールは細胞膜の成分。脳や神経にも多い
ホルモンなどの材料コレステロールはステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン、性ホルモン)、胆汁酸、ビタミンDの材料。必須脂肪酸はエイコサノイドの材料
ビタミンの吸収を助ける脂溶性ビタミン(A・D・E・K)は、脂質と一緒にとると吸収がよくなる
必須脂肪酸を補給する体内でつくれない脂肪酸を供給する
腹もちをよくする胃に長くとどまるため、満腹感が続く
ビタミンB1の節約脂質をエネルギーに変えるときは、糖質のときよりビタミンB1が少なくてすむ(ビタミンB1節約作用)

5. コレステロールとリポたんぱく質

5-1. コレステロールのはたらき

コレステロールは「体に悪いもの」と思われがちだが、体にとって欠かせない物質である。

  • 細胞膜の成分
  • 胆汁酸の材料(脂肪の消化を助ける。第7章参照)
  • ステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン、性ホルモン)の材料
  • ビタミンDの材料(皮膚で紫外線を浴びるとビタミンDに変わる。第5章参照)

5-2. 体内で合成される量のほうが多い

体内のコレステロールの多くは、肝臓などで合成されている。食事からとるコレステロールより、体内でつくられる量のほうがずっと多い。食事からのコレステロールが多いと体内での合成が減り、少ないと合成が増えるという調節もはたらいている。

そのため、食事摂取基準(2025年版)では、コレステロールの目標量は設定されていない(本章7参照)。

植物ステロールは、腸でのコレステロールの吸収を妨げ、血液中のコレステロールを下げるはたらきがある。

5-3. リポたんぱく質

脂質は水に溶けないため、そのままでは血液の中を運ぶことができない。そこで、脂質はたんぱく質やリン脂質に包まれたリポたんぱく質という粒になって運ばれる。

リポたんぱく質つくられる場所主なはたらき
キロミクロン小腸食事からとった中性脂肪を運ぶ(リンパ管を通る。第7章参照)
VLDL肝臓肝臓でつくった中性脂肪を全身に運ぶ
LDLVLDLから変わるコレステロールを肝臓から全身に運ぶ。多すぎると血管の壁にたまり、動脈硬化の原因になる(悪玉コレステロール)
HDL肝臓・小腸全身の余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す。動脈硬化を防ぐ(善玉コレステロール)

LDLとHDLは、どちらも同じコレステロールを運んでいる。違うのは、運ぶ方向である。「悪玉」「善玉」は、運ぶ方向による呼び名であり、コレステロールそのものに善し悪しがあるわけではない。

6. 体の中での脂質の使われ方

6-1. 体脂肪の分解とエネルギー

空腹時や運動時には、脂肪組織にたくわえられた中性脂肪が分解され、脂肪酸とグリセロールになって血液中に出ていく。

  • 脂肪酸は、筋肉などでβ酸化という反応で少しずつ分解され、エネルギーになる
  • グリセロールは、肝臓でブドウ糖につくり変えられる(糖新生)ことがある
  • 一方、脂肪酸からブドウ糖をつくることはできない

6-2. ケトン体

糖質が極端に不足すると(絶食、極端な糖質制限、コントロール不良の糖尿病など)、脂肪酸の分解が進み、肝臓でケトン体という物質がつくられる。ケトン体は、脳や筋肉でエネルギー源として使われるが、血液中に増えすぎると血液が酸性に傾き(ケトーシス、ケトアシドーシス)、体に害をもたらす(第8章参照)。

6-3. 糖質から脂肪へ

糖質やたんぱく質をとりすぎて、エネルギーが余ると、余った分は肝臓などで脂肪酸につくり変えられ、中性脂肪として脂肪組織にたくわえられる。脂質をとらなくても、食べすぎれば体脂肪は増える。

7. 食事摂取基準(2025年版)

項目指標基準(18歳以上)
脂質目標量20〜30%エネルギー(1歳以上)
飽和脂肪酸目標量7%エネルギー以下
n-6系脂肪酸目安量男性 約11〜12g/日、女性 約9g/日
n-3系脂肪酸目安量男性 約2.2〜2.3g/日、女性 約1.7〜2.0g/日
コレステロール―目標量は設定しない。ただし脂質異常症の重症化予防のためには200mg/日未満が望ましい
トランス脂肪酸―1%エネルギー未満に留めることが望ましく、それより低いほどよい
  • 脂質の目標量は、%エネルギー(総エネルギーのうち脂質から得る割合)で示されている。g(グラム)ではない点に注意する
  • 飽和脂肪酸の目標量は、子どもでは少しゆるやかで、3〜14歳は10%以下、15〜17歳は9%以下である
  • 脂質の目標量の上限(30%)は、飽和脂肪酸のとりすぎを防ぐため、下限(20%)は必須脂肪酸を確保するために設定されている
  • 乳児は脂質の多い母乳を主に飲むため、目安量が高く設定されている(0〜5か月は50%エネルギー)
  • 一価不飽和脂肪酸については、基準の設定が見送られている

8. 脂質を多く含む食品

食品(可食部100gあたりの目安)脂質主な脂肪酸の特徴
植物油(大豆油、なたね油など)約100g不飽和脂肪酸が多い
バター(有塩)約81g飽和脂肪酸が約3分の2。短鎖脂肪酸(酪酸)を含む
アーモンド(乾)約52gオレイン酸が多い。ビタミンEも豊富
生クリーム(乳脂肪)約43g飽和脂肪酸が多い
卵黄約34gリン脂質(レシチン)、コレステロールが多い
牛乳約4g飽和脂肪酸が多い

※ 日本食品標準成分表(八訂)による概数。

植物油の脂肪酸の違い

油多い脂肪酸
オリーブ油、なたね油オレイン酸(一価不飽和)
大豆油、コーン油、ごま油リノール酸(n-6系)
えごま油、あまに油α-リノレン酸(n-3系)
ココナッツ油、パーム核油飽和脂肪酸(ラウリン酸などの中鎖・長鎖)

9. 製菓とのつながり

材料脂質の特徴菓子づくりでのはたらき栄養学で知っておきたいこと
バター飽和脂肪酸が多く、短鎖脂肪酸(酪酸)を含む豊かな香り、クリーミング性、ショートニング性飽和脂肪酸・コレステロールが多い
ココアバター飽和脂肪酸(ステアリン酸・パルミチン酸)とオレイン酸がほぼ半々体温近くで一気にとける口どけ。テンパリングで結晶をそろえる植物性だが飽和脂肪酸が多い
ショートニング、マーガリン植物油を加工して固めたものさくさく感、扱いやすさ製法によりトランス脂肪酸を含むことがある(近年は低減)
生クリーム乳脂肪の粒が乳化したもの泡立てるとホイップクリームになる飽和脂肪酸が多い
卵黄レシチンを含む乳化剤としてクリームやアイスクリームをなめらかにするコレステロールが多い
ナッツ(アーモンド、くるみ)不飽和脂肪酸が多い香ばしさ、食感くるみはn-3系が多い。酸化しやすいので保存に注意

油脂の酸化と菓子の保存
焼き菓子やナッツを使った菓子は、時間がたつと油脂が酸化して「油臭く」なる。光・熱・空気を避け、脱酸素剤や乾燥剤を入れて密封し、涼しく暗い場所で保存するのは、油脂の酸化を防ぐためでもある。

試験対策:よくある間違いポイント

試験に出る文です。正しい文(○)と間違った文(×)がまざっています。選んでから答えを確かめてください。

Q1脂肪酸は、肝臓でブドウ糖につくり変えられる

正しくは:脂肪酸からブドウ糖はつくれない。糖新生に使われるのはグリセロールである

Q2レシチンは単純脂質に分類される

正しくは:レシチンはリン脂質であり、複合脂質に分類される

Q3リノール酸はn-3系脂肪酸である

正しくは:リノール酸はn-6系。n-3系はα-リノレン酸、EPA、DHA

Q4コレステロールは体に有害なだけの物質である

正しくは:コレステロールは、細胞膜・胆汁酸・ステロイドホルモン・ビタミンDの材料になる必要な物質

Q5レシチンは、卵黄や大豆に多く含まれ、乳化剤としてはたらく

この文のとおりです。

Q6えごま油やあまに油には、α-リノレン酸が多く含まれる

この文のとおりです。

Q7オレイン酸は必須脂肪酸である

正しくは:必須脂肪酸はリノール酸・α-リノレン酸・アラキドン酸。オレイン酸は体内で合成できる

Q8飽和脂肪酸の目標量は、成人で10%エネルギー以下である

正しくは:成人(18歳以上)の飽和脂肪酸の目標量は7%エネルギー以下である

Q9コレステロールの目標量は、成人で1日300mg未満である

正しくは:2025年版ではコレステロールの目標量は設定されていない。ただし脂質異常症の重症化予防には200mg/日未満が望ましい

Q10オレイン酸は多価不飽和脂肪酸である

正しくは:オレイン酸は一価不飽和脂肪酸である

Q11飽和脂肪酸は、二重結合を2つ以上もつ脂肪酸である

正しくは:飽和脂肪酸は二重結合をもたない。2つ以上もつのは多価不飽和脂肪酸

Q12脂質は水によく溶ける

正しくは:脂質は水に溶けず、有機溶媒に溶ける

Q13食品に含まれる脂質の大部分は中性脂肪である

この文のとおりです。

Q14HDLは、全身の余分なコレステロールを肝臓に運ぶ

この文のとおりです。

Q15飽和脂肪酸は、不飽和脂肪酸より融点が低い

正しくは:飽和脂肪酸は融点が高く、常温で固まりやすい

Q16脂質の目標量は、1歳以上で20〜30%エネルギーである

この文のとおりです。

Q17中性脂肪は、グリセロール1分子に脂肪酸が2分子結合したものである

正しくは:中性脂肪(トリアシルグリセロール)は、グリセロール1分子に脂肪酸が3分子結合したもの

Q18EPAやDHAは、肉の脂身に多く含まれる

正しくは:EPA・DHAは青魚に多く含まれる

Q19脂質は1gあたり約4kcalのエネルギーを生み出す

正しくは:脂質は1gあたり約9kcalである

Q20不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸より酸化しにくい

正しくは:不飽和脂肪酸は二重結合があるため、酸化しやすい

Q21必須脂肪酸には、リノール酸、α-リノレン酸、アラキドン酸がある

この文のとおりです。

Q22ビタミンEは、脂質の酸化を防ぐはたらきがある

この文のとおりです。

Q23コレステロールは、胆汁酸やステロイドホルモンの材料になる

この文のとおりです。

Q24体内のコレステロールは、ほとんどが食事からとったものである

正しくは:体内のコレステロールの多くは、肝臓などで合成されている

Q25脂溶性ビタミンは、脂質と一緒にとると吸収がよくなる

この文のとおりです。

Q26植物性の油脂はすべて常温で液体である

正しくは:ココアバター、ココナッツ油、パーム油は植物性でも飽和脂肪酸が多く、常温で固体である

Q27トランス脂肪酸は、HDLコレステロールを増やし、LDLコレステロールを減らす

正しくは:トランス脂肪酸は、LDLを増やし、HDLを減らす

Q28脂質の目標量は、成人で1日20〜30gである

正しくは:脂質の目標量は20〜30%エネルギーであり、グラムではない

Q29LDLは、全身の余分なコレステロールを肝臓に戻すはたらきをする

正しくは:それはHDLのはたらきである。LDLは肝臓から全身にコレステロールを運ぶ
結果:

まとめ

  • 脂質は水に溶けず有機溶媒に溶ける物質。1gあたり9kcalで、炭水化物・たんぱく質の2倍以上
  • 分類は、単純脂質(中性脂肪)、複合脂質(リン脂質=レシチン)、誘導脂質(脂肪酸、コレステロール)
  • 中性脂肪=グリセロール+脂肪酸3つ。食品の脂質と体脂肪の主成分
  • 脂肪酸は、二重結合なしの飽和(バター、ココアバター、ココナッツ油)、1つの一価不飽和(オレイン酸=オリーブ油)、2つ以上の多価不飽和(n-6系=リノール酸・アラキドン酸/n-3系=α-リノレン酸・EPA・DHA)
  • 飽和脂肪酸は融点が高く固まりやすい。固体か液体かは、動物か植物かではなく脂肪酸の種類で決まる
  • 必須脂肪酸=リノール酸・α-リノレン酸・アラキドン酸。不足すると皮膚炎や成長不良
  • EPA・DHA(青魚)は中性脂肪を下げ、血栓を防ぐ
  • トランス脂肪酸は部分水素添加でできる。LDLを増やしHDLを減らす
  • 不飽和脂肪酸は酸化しやすい。光・熱・空気・金属で進み、ビタミンEが防ぐ
  • はたらきは、エネルギー源・貯蔵・体温保持と臓器保護・細胞膜・ホルモンの材料・脂溶性ビタミンの吸収・ビタミンB1節約
  • コレステロールは細胞膜・胆汁酸・ステロイドホルモン・ビタミンDの材料。多くは肝臓で合成される
  • LDLは肝臓から全身へ(悪玉)、HDLは全身から肝臓へ(善玉)。食事の脂肪はキロミクロンで運ばれる
  • 脂肪酸からブドウ糖はつくれない(グリセロールは糖新生に使われる)。糖質が極端に不足するとケトン体が増える
  • 食事摂取基準2025年版:脂質20〜30%エネルギー、飽和脂肪酸7%エネルギー以下、コレステロールは目標量なし(重症化予防は200mg/日未満)、トランス脂肪酸は1%エネルギー未満が望ましい

※ 本書は「日本人の食事摂取基準(2025年版)」と令和8年(2026年)9月時点の情報にもとづいています。

タイトルとURLをコピーしました