栄養学 第7章:消化と吸収

第7章

栄養学 第二部 からだの中のはなし

消化と吸収

はじめに

一切れのショートケーキを食べたとする。スポンジのでんぷん、生クリームの脂肪、卵のたんぱく質、いちごのビタミンC。これらは、そのままの形では体の中に取り込むことができない。大きな分子を、体が取り込めるほど小さな分子に分解するはたらきが消化であり、分解されたものを体の中に取り込むはたらきが吸収である。

第一部では、栄養素の一つひとつを学んだ。第二部では、それらの栄養素が体の中でどのように扱われるかを見ていく。その最初が、食べものが口から入って便として出ていくまでの旅、消化と吸収である。

試験では、消化酵素の名前と、それがどこから出て、何を分解し、何ができるかの組み合わせが最もよく問われる。「胆汁には消化酵素が含まれない」「脂肪はリンパ管から吸収される」といった、ひっかけになりやすい点も多い。本章では、口から順に、食べものの旅をたどっていく。

1. 消化器のしくみ

1-1. 消化管と消化腺

消化にかかわる器官を消化器という。消化器は、食べものが通る消化管と、消化液をつくって消化管に送る消化腺に分けられる。

区分器官
消化管口腔 → 咽頭 → 食道 → 胃 → 小腸(十二指腸・空腸・回腸) → 大腸(盲腸・結腸・直腸) → 肛門
消化腺唾液腺、胃腺・腸腺(消化管の壁の中にある)、肝臓、膵臓
付属器官胆のう(胆汁をためる)

消化管は、口から肛門までつながった一本の管で、全長は成人で約9mにもなる。

肝臓・膵臓・胆のうは消化管ではない
肝臓・膵臓・胆のうは、食べものが通る管ではなく、消化液をつくったりためたりして、十二指腸に送り出す器官である。「消化管の一部」とする選択肢は誤りである。

1-2. 各器官の大きさ

器官大きさ(成人の目安)特徴
食道長さ約25cm食べものを胃に送る通り道。消化はほとんど行わない
胃容量 約1.2〜1.5L袋の形。食べものを一時たくわえ、かき混ぜる
十二指腸長さ約25cm小腸の最初の部分。指を12本横に並べたほどの長さが名前の由来。膵液と胆汁が流れ込む
空腸・回腸合わせて約6m小腸の大部分。栄養素の大部分を吸収する
大腸長さ約1.5m盲腸(虫垂がついている)、結腸、直腸からなる

1-3. 小腸の表面のしくみ

小腸の内側には、たくさんのひだがある。ひだの表面は、絨毛という細かな突起でおおわれ、さらに絨毛の表面の細胞には、微絨毛というごく細かな突起がびっしり並んでいる。この三重のしくみによって、小腸の内側の表面積は何百倍にも広がり、栄養素を効率よく吸収できるようになっている。

絨毛の中には、毛細血管とリンパ管(乳び管)が通っている。吸収された栄養素は、このどちらかに入って運ばれる(本章6参照)。

2. 消化の3つのしくみ

種類内容行われる場所
機械的消化(物理的消化)歯でかみくだく(咀嚼)、胃や腸の筋肉の動きで細かくし、消化液と混ぜ合わせ、先へ送る口腔、胃、小腸、大腸
化学的消化消化酵素によって、大きな分子を小さな分子に分解する口腔、胃、小腸
生物学的消化腸内細菌が、消化されなかったものを分解(発酵)する主に大腸

消化管の運動

運動内容
ぜん動運動筋肉が波のように順番に縮み、内容物を先へ送る
分節運動腸のあちこちが縮んだりゆるんだりして、内容物を消化液とよく混ぜる
振子運動腸が前後に動いて、内容物を混ぜる

2-1. 化学的消化と酵素

化学的消化では、栄養素が加水分解(水を加えて分解すること)によって、次のような小さな単位まで分解される。

栄養素最終的に分解されたもの
糖質(でんぷん、二糖類)単糖類(ブドウ糖、果糖、ガラクトース)
たんぱく質アミノ酸(一部はジペプチド・トリペプチド)
脂質(中性脂肪)脂肪酸、モノアシルグリセロール(一部はグリセロール)

消化酵素はたんぱく質でできており、それぞれ決まった物質にしかはたらかない(基質特異性)。また、よくはたらく温度(体温付近)とpH(最適pH)がある。

3. 口腔から胃まで

3-1. 口腔

消化液唾液(1日約1.0〜1.5L、ほぼ中性)
主な消化酵素唾液アミラーゼ(プチアリン):でんぷんをデキストリンや麦芽糖に分解する
そのほかのはたらき食べものを湿らせて飲み込みやすくする、口の中を清潔に保つ、味を感じやすくする

唾液腺は、耳下腺・顎下腺・舌下腺の3つの大きな唾液腺がある。

ご飯をよくかんでいると甘く感じてくるのは、唾液アミラーゼがでんぷんを分解して、甘みのある麦芽糖ができるためである。よく咀嚼することは、食べものを細かくするだけでなく、唾液の分泌を促し、消化を助けることにもなる。

3-2. 胃

消化液胃液(1日約1.5〜2.5L、強い酸性:pH1〜2)
主な消化酵素ペプシン:たんぱく質をペプトン(ポリペプチド)に分解する
そのほかの成分塩酸(胃酸)、粘液、内因子

胃液の成分とはたらき

成分はたらき
塩酸(胃酸)胃の中を強い酸性に保ち、食べものと一緒に入ってきた細菌を殺す。ペプシノーゲンをペプシンに変える
ペプシノーゲンペプシンのもと。塩酸によってはたらく形になる
粘液胃の壁の表面をおおい、強い酸やペプシンから胃自身を守る
内因子ビタミンB12と結びつき、回腸での吸収を助ける(第5章参照)

胃のはたらき

  • 食べものを一時的にたくわえ、少しずつ十二指腸に送り出す
  • ぜん動運動で食べものと胃液をよく混ぜ、どろどろのかゆ状(糜粥)にする
  • 唾液アミラーゼは、胃の強い酸の中では、まもなくはたらかなくなる

胃にとどまる時間
胃にとどまる時間は、食べものの成分によって異なり、糖質が最も短く、たんぱく質、脂質の順に長くなる。脂質の多い食事は、胃に長くとどまるため腹もちがよい(第3章参照)。

4. 小腸

小腸では、膵液・胆汁・小腸の粘膜の酵素がはたらき、三大栄養素の消化が完了する。そして、ほとんどの栄養素がここで吸収される。

4-1. 十二指腸に流れ込む消化液

消化液つくられる場所性質主なはたらき
膵液膵臓弱アルカリ性(1日約1.5L)胃から来た酸性のかゆを中和する。三大栄養素すべてを分解する酵素を含む
胆汁肝臓でつくられ、胆のうでためて濃くする弱アルカリ性消化酵素を含まない。胆汁酸が脂肪を細かい粒にして乳化し、リパーゼがはたらきやすくする

胆汁は消化酵素を含まない
胆汁は、脂肪の消化を「助ける」が、自分では分解しない。脂肪を水になじむ小さな粒(乳化)にすることで、膵液のリパーゼがはたらく表面積を広げている。マヨネーズで卵黄のレシチンが油と酢を混ぜ合わせるのと同じしくみである。「胆汁に含まれる消化酵素で脂肪を分解する」という選択肢は誤りである。

胆汁には、赤血球がこわれてできた色素(ビリルビン)も含まれ、便の色のもとになる。胆汁酸の多くは、回腸で再び吸収されて肝臓に戻り、くり返し使われる。

4-2. 膵液の消化酵素

酵素分解するものできるもの
膵アミラーゼでんぷん、デキストリン麦芽糖
トリプシンたんぱく質、ペプトンペプチド
キモトリプシンたんぱく質、ペプトンペプチド
カルボキシペプチダーゼペプチドアミノ酸
膵リパーゼ中性脂肪脂肪酸、モノアシルグリセロール

トリプシンは、膵臓ではたらかない形(トリプシノーゲン)でつくられ、十二指腸に出てからはたらく形に変わる。膵臓自身が消化されないようにするためのしくみである。

4-3. 小腸の粘膜での最終消化(膜消化)

小腸の微絨毛の表面には、二糖類やペプチドを分解する酵素がある。栄養素は、吸収される直前に、ここで最終的に分解される。これを膜消化という。

酵素分解するものできるもの
マルターゼ麦芽糖ブドウ糖+ブドウ糖
スクラーゼショ糖ブドウ糖+果糖
ラクターゼ乳糖ブドウ糖+ガラクトース
アミノペプチダーゼ、ジペプチダーゼペプチドアミノ酸

ラクターゼのはたらきが弱いと、乳糖不耐症になる(第4章参照)。

5. 消化酵素の総まとめ

栄養素ごとに、消化の流れを整理する。

5-1. 糖質(でんぷん)

でんぷん →(唾液アミラーゼ・膵アミラーゼ)→ デキストリン・麦芽糖 →(マルターゼ)→ ブドウ糖

ショ糖はスクラーゼで、乳糖はラクターゼで、小腸の粘膜で単糖に分解される。

5-2. たんぱく質

たんぱく質 →(ペプシン:胃)→ ペプトン →(トリプシン・キモトリプシン:膵液)→ ペプチド →(ペプチダーゼ:膵液・小腸粘膜)→ アミノ酸

5-3. 脂質(中性脂肪)

中性脂肪 →(胆汁で乳化)→ 小さな脂肪の粒 →(膵リパーゼ)→ 脂肪酸+モノアシルグリセロール

5-4. 消化酵素の一覧

酵素出るところ分解するものできるもの
唾液アミラーゼ唾液(口腔)でんぷんデキストリン、麦芽糖
ペプシン胃液たんぱく質ペプトン
膵アミラーゼ膵液でんぷん、デキストリン麦芽糖
トリプシン、キモトリプシン膵液たんぱく質、ペプトンペプチド
膵リパーゼ膵液中性脂肪脂肪酸、モノアシルグリセロール
マルターゼ小腸粘膜麦芽糖ブドウ糖
スクラーゼ小腸粘膜ショ糖ブドウ糖、果糖
ラクターゼ小腸粘膜乳糖ブドウ糖、ガラクトース
ペプチダーゼ膵液、小腸粘膜ペプチドアミノ酸

覚え方

  • 「アミラーゼ=でんぷん」「ペプシン・トリプシン=たんぱく質」「リパーゼ=脂質」
  • 二糖類の分解酵素は、糖の名前の後ろに「アーゼ」をつける:マルトース→マルターゼ、スクロース→スクラーゼ、ラクトース→ラクターゼ
  • 膵液は、三大栄養素のすべてを分解する、最も重要な消化液である

6. 吸収と運ばれ方

6-1. 吸収される場所

場所主に吸収されるもの
胃アルコールの一部、水の一部(栄養素はほとんど吸収されない)
十二指腸鉄、カルシウム
空腸栄養素の大部分(単糖、アミノ酸、脂肪酸、ビタミン、ミネラル)
回腸ビタミンB12、胆汁酸
大腸水分とナトリウムなどの電解質、腸内細菌がつくった短鎖脂肪酸

6-2. 2つの運搬経路

小腸で吸収された栄養素は、性質によって、2つの経路に分かれて運ばれる。

経路運ばれる栄養素道すじ
門脈経路(血管)水溶性のもの:単糖、アミノ酸、水溶性ビタミン、ミネラル、中鎖脂肪酸絨毛の毛細血管 → 門脈 → 肝臓 → 全身
リンパ経路(リンパ管)脂溶性のもの:長鎖脂肪酸からつくり直した中性脂肪、コレステロール、脂溶性ビタミン絨毛のリンパ管(乳び管)→ 胸管 → 左鎖骨下静脈 → 心臓 → 全身

門脈は、腸から肝臓へ血液を運ぶ太い血管である。腸で吸収された栄養素の多くは、まず肝臓に集められ、ここで貯蔵されたり、つくり変えられたり、有害なものが処理されたりしてから、全身に送られる。

6-3. 脂肪の吸収

脂肪は水に溶けないため、特別なしくみで吸収される。

  1. 膵リパーゼで分解された脂肪酸とモノアシルグリセロールは、胆汁酸と一緒にミセルという小さな粒をつくり、小腸の細胞の表面まで運ばれる
  2. 小腸の細胞の中に取り込まれると、再び中性脂肪につくり直される
  3. 中性脂肪は、コレステロールや脂溶性ビタミンとともに、たんぱく質に包まれてキロミクロンという大きな粒になる(第3章参照)
  4. キロミクロンは大きすぎて毛細血管に入れないため、リンパ管に入って運ばれる

ただし、ココナッツ油などに含まれる中鎖脂肪酸は、分子が小さいため、つくり直されずにそのまま門脈に入り、肝臓ですばやくエネルギーに変わる。

6-4. 吸収のしかた

吸収のしかた内容例
受動輸送濃いほうから薄いほうへ、エネルギーを使わずに移動する水、脂肪酸、果糖(運び手のたんぱく質を使う促進拡散)
能動輸送エネルギーを使って、濃さに逆らってでも積極的に取り込むブドウ糖、ガラクトース、アミノ酸、ナトリウム

ブドウ糖は能動輸送で速く吸収されるが、果糖は促進拡散でゆっくり吸収される。

7. 大腸と腸内細菌

7-1. 大腸のはたらき

小腸で吸収されずに残ったものは、大腸に送られる。

  • 水分と電解質(ナトリウムなど)を吸収して、内容物をしだいに固め、便をつくる
  • 腸内細菌が、消化されなかった食物繊維やオリゴ糖を発酵させる(生物学的消化)
  • 便は直腸にたまり、排便される

食べてから便として出るまでの時間は、食事の内容や体質によって異なるが、おおむね24〜72時間程度である。

7-2. 腸内細菌

大腸には、数百〜1,000種類、数十兆個もの細菌がすんでいる。この細菌の集まりを、花畑にたとえて腸内フローラ(腸内細菌叢)という。

種類例はたらき
善玉菌ビフィズス菌、乳酸菌乳酸や酢酸をつくって腸の中を弱酸性に保ち、悪玉菌が増えるのを抑える。腸の動きを促す
悪玉菌ウェルシュ菌、一部の大腸菌たんぱく質を腐敗させ、有害な物質をつくる
日和見菌―善玉・悪玉の優勢なほうに味方する

腸内細菌のはたらき

  • 食物繊維を発酵させて短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸など)をつくる。短鎖脂肪酸は大腸の細胞のエネルギー源になる(第4章参照)
  • ビタミンKやビタミンB群の一部をつくる(第5章参照)
  • 病原菌が増えるのを防ぎ、免疫のはたらきを助ける

プロバイオティクスとプレバイオティクス

用語意味例
プロバイオティクス体によいはたらきをする生きた微生物そのものヨーグルトや発酵乳のビフィズス菌・乳酸菌
プレバイオティクス善玉菌のえさになり、その増殖を助ける食品成分オリゴ糖、食物繊維

8. 消化を調節するしくみ

8-1. 消化管ホルモン

消化液の分泌や消化管の動きは、消化管から出るホルモンによって調節されている。

ホルモン出るところ出るきっかけはたらき
ガストリン胃食べものが胃に入る胃酸(胃液)の分泌を促す
セクレチン十二指腸酸性のかゆが十二指腸に来る膵臓から重炭酸を多く含む膵液の分泌を促し、酸を中和させる。胃酸の分泌を抑える
コレシストキニン十二指腸脂肪やたんぱく質が十二指腸に来る胆のうを収縮させて胆汁を出させる。消化酵素の多い膵液の分泌を促す

セクレチンは、1902年に発見された、人類が最初に見つけたホルモンである。

8-2. 自律神経

消化管のはたらきは、自分の意思とは関係なくはたらく自律神経によっても調節されている。

神経消化へのはたらき
副交感神経リラックスしているときにはたらき、消化液の分泌や消化管の運動を促す
交感神経緊張やストレスのときにはたらき、消化液の分泌や消化管の運動を抑える

緊張していると食欲がなくなったり、おなかの調子をくずしたりするのは、交感神経のはたらきによる。楽しい雰囲気で、ゆっくり食事をすることは、消化のためにもよい。

9. 消化吸収率

9-1. 消化吸収率とは

食べた栄養素のうち、実際に消化・吸収された割合を消化吸収率という。

消化吸収率(%)=(摂取量 - 便中への排泄量)÷ 摂取量 × 100

便には、食べものの残りだけでなく、はがれた腸の細胞や消化液の成分なども含まれる。これらを差し引かずに計算したものを「見かけの消化吸収率」、差し引いて計算したものを「真の消化吸収率」という。

9-2. 消化吸収率に影響するもの

要因内容
食品の種類一般に、動物性食品は植物性食品より消化吸収率が高い
食物繊維多いと腸を通る速さが増し、ほかの栄養素の消化吸収率が下がる
調理加熱すると、でんぷんは糊化し、たんぱく質は変性して、消化されやすくなる。細かく切る、すりつぶすことも消化を助ける
咀嚼よくかむほど消化されやすい
体調・心理病気、ストレス、疲れ、年齢などで変わる

10. 製菓とのつながり

菓子・材料消化と吸収の視点
小麦粉・でんぷんの菓子でんぷんは加熱して糊化すると、アミラーゼがはたらきやすくなり消化されやすい。生の粉や、冷えて老化したでんぷんは消化されにくい(製菓理論のでんぷんの章)
バター・生クリームを多く使う菓子脂質が多いと胃に長くとどまり、腹もちがよい。一方で、胃もたれの原因にもなる
砂糖・はちみつ・果物単糖や二糖類は消化が速く、すぐに吸収されてエネルギーになる。疲れたときの甘いものが元気を出させるのはこのため
牛乳を使う菓子乳糖不耐症の人は、ラクターゼの不足でおなかをこわすことがある
ヨーグルト、発酵乳ビフィズス菌・乳酸菌(プロバイオティクス)
オリゴ糖、果物のペクチン、寒天腸内細菌のえさ(プレバイオティクス)
ゼリー・ムース(ゼラチン)ゼラチンはたんぱく質なので、ペプシンやトリプシンで分解される

パイナップルとゼラチン
生のパイナップルやキウイフルーツ、パパイヤには、たんぱく質を分解する酵素が含まれている。これらを生のままゼラチンのゼリーに入れると、ゼラチン(たんぱく質)が分解されて固まらない。缶詰や加熱したものを使うのは、加熱で酵素をはたらかなくするためである。消化酵素と同じ「たんぱく質を分解する酵素」のはたらきを、菓子づくりの中で目にする例である。

試験対策:よくある間違いポイント

試験に出る文です。正しい文(○)と間違った文(×)がまざっています。選んでから答えを確かめてください。

Q1胃液の塩酸は、食べものと一緒に入ってきた細菌を殺す

この文のとおりです。

Q2胃にとどまる時間は、脂質が最も短い

正しくは:脂質は胃に最も長くとどまる。最も短いのは糖質

Q3大腸の腸内細菌は、ビタミンKを合成する

この文のとおりです。

Q4でんぷんは、加熱して糊化すると消化されやすくなる

この文のとおりです。

Q5セクレチンは、膵液の分泌を促す

この文のとおりです。

Q6スクラーゼは、乳糖をブドウ糖とガラクトースに分解する

正しくは:スクラーゼはショ糖をブドウ糖と果糖に分解する。乳糖を分解するのはラクターゼ

Q7膵液は弱アルカリ性で、胃から送られてきた酸性の内容物を中和する

この文のとおりです。

Q8唾液アミラーゼは、たんぱく質を分解する

正しくは:唾液アミラーゼはでんぷんを分解する

Q9大腸では、主に糖質とたんぱく質が吸収される

正しくは:大腸では、主に水分と電解質が吸収される

Q10胆汁は、胆のうでつくられる

正しくは:胆汁は肝臓でつくられ、胆のうでためられる

Q11脂肪は、消化されてアミノ酸になる

正しくは:脂肪は、消化されて脂肪酸とモノアシルグリセロールになる

Q12トリプシンは、でんぷんを分解する酵素である

正しくは:トリプシンはたんぱく質を分解する酵素である

Q13腸内細菌による分解は、化学的消化という

正しくは:腸内細菌による分解は生物学的消化である

Q14副交感神経がはたらくと、消化液の分泌が抑えられる

正しくは:副交感神経は消化液の分泌や消化管の運動を促す。抑えるのは交感神経

Q15肝臓と膵臓は、消化管の一部である

正しくは:肝臓・膵臓は消化液をつくる消化腺であり、消化管ではない

Q16ビタミンB12は、十二指腸で吸収される

正しくは:ビタミンB12は回腸で吸収される

Q17脂溶性ビタミンは、リンパ管を通って運ばれる

この文のとおりです。

Q18マルターゼは、麦芽糖をブドウ糖と果糖に分解する

正しくは:マルターゼは麦芽糖をブドウ糖とブドウ糖に分解する

Q19ラクターゼは、乳糖をブドウ糖とガラクトースに分解する

この文のとおりです。

Q20長鎖脂肪酸からつくられた中性脂肪は、門脈を通って肝臓に運ばれる

正しくは:長鎖脂肪酸の中性脂肪はキロミクロンとなり、リンパ管に入って運ばれる

Q21ペプシンは、脂肪を分解する酵素である

正しくは:ペプシンはたんぱく質を分解する酵素である

Q22ガストリンは、胆のうを収縮させて胆汁を出させる

正しくは:ガストリンは胃酸の分泌を促す。胆のうを収縮させるのはコレシストキニン

Q23成人の消化管の全長は約3mである

正しくは:消化管の全長は約9mである

Q24ブドウ糖やアミノ酸は、リンパ管に入って運ばれる

正しくは:ブドウ糖やアミノ酸は毛細血管から門脈を通って肝臓に運ばれる

Q25胃液の内因子は、カルシウムの吸収を助ける

正しくは:内因子はビタミンB12の吸収を助ける

Q26胃液は、弱アルカリ性である

正しくは:胃液は強い酸性(pH1〜2)である。弱アルカリ性なのは膵液

Q27胆汁は、脂肪を乳化して消化を助ける

この文のとおりです。

Q28一般に、植物性食品は動物性食品より消化吸収率が高い

正しくは:一般に、動物性食品のほうが消化吸収率が高い

Q29消化管は、口腔・咽頭・食道・胃・小腸・大腸・肛門からなる

この文のとおりです。

Q30胆汁には、脂肪を分解する消化酵素リパーゼが含まれている

正しくは:胆汁は消化酵素を含まない。脂肪を乳化して、膵液のリパーゼを助ける

Q31水溶性の栄養素は、門脈を通って肝臓に運ばれる

この文のとおりです。

Q32膵液は、たんぱく質だけを分解する

正しくは:膵液は、糖質・たんぱく質・脂質の三大栄養素すべてを分解する酵素を含む

Q33栄養素の大部分は、胃で吸収される

正しくは:栄養素の大部分は小腸で吸収される。胃ではほとんど吸収されない
結果:

まとめ

  • 消化器は、消化管(口腔→咽頭→食道→胃→小腸→大腸→肛門、全長約9m)と、消化腺(唾液腺・肝臓・膵臓など)からなる。肝臓・膵臓・胆のうは消化管ではない
  • 消化は、機械的消化(咀嚼・ぜん動運動)、化学的消化(消化酵素)、生物学的消化(腸内細菌)の3つ
  • 口腔:唾液アミラーゼがでんぷんを麦芽糖などに
  • 胃:胃液はpH1〜2の強い酸性。ペプシンがたんぱく質をペプトンに。塩酸で殺菌。内因子はビタミンB12の吸収に必要。胃にとどまる時間は糖質<たんぱく質<脂質
  • 十二指腸:膵液(弱アルカリ性)が三大栄養素すべてを分解(アミラーゼ、トリプシン・キモトリプシン、リパーゼ)。胆汁は肝臓でつくられ、消化酵素を含まず、脂肪を乳化する
  • 小腸粘膜(膜消化):マルターゼ(麦芽糖→ブドウ糖2つ)、スクラーゼ(ショ糖→ブドウ糖+果糖)、ラクターゼ(乳糖→ブドウ糖+ガラクトース)、ペプチダーゼ(→アミノ酸)
  • 最終産物は、糖質=単糖、たんぱく質=アミノ酸、脂質=脂肪酸とモノアシルグリセロール
  • 栄養素の大部分は小腸(空腸)で吸収。鉄・カルシウムは十二指腸、ビタミンB12は回腸、大腸は水分と電解質
  • 水溶性(単糖・アミノ酸・水溶性ビタミン・ミネラル・中鎖脂肪酸)は門脈→肝臓、脂溶性(長鎖脂肪酸の中性脂肪=キロミクロン、脂溶性ビタミン)はリンパ管
  • 大腸の腸内細菌は、食物繊維を発酵させて短鎖脂肪酸をつくり、ビタミンKなどを合成する
  • 消化管ホルモン:ガストリン(胃酸)、セクレチン(膵液・中和)、コレシストキニン(胆のう収縮・膵酵素)。副交感神経は消化を促し、交感神経は抑える
  • 一般に動物性食品のほうが消化吸収率が高い。加熱による糊化・変性で消化されやすくなる

※ 本書は「日本人の食事摂取基準(2025年版)」と令和8年(2026年)9月時点の情報にもとづいています。

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