全卵|成分・性質・製菓での使い方がわかる食材図鑑

鶏卵1/7

世界樹の書庫 食材図鑑 鶏卵の巻

全卵

左:全卵の姿 右:ルーペで見た卵の断面(卵黄・濃厚卵白・水様卵白・カラザ)

泡立てて膨らませ、熱で固め、生地をつなぐ。お菓子の骨組みを作る材料。

基本データ

読みぜんらん
英名Whole egg
仏名œuf entier
分類鶏卵の巻
種類生の卵
主成分たんぱく質12.2g・脂質10.2g・炭水化物0.4g
水分75.0g(100gあたり)
サイズ・形殻付きの重さで6サイズ(SS 40〜46g、S 46〜52g、MS 52〜58g、M 58〜64g、L 64〜70g、LL 70〜76g)
エネルギー142kcal/100g

卵殻・卵黄・卵白の重さの割合は、およそ1:3:6。Mサイズなら中身は約52〜58g、卵黄は約17〜19g、卵白は約35〜38g(割合から計算した目安)。卵黄の大きさはサイズでほとんど変わらず、大きい卵ほど卵白が多い。卵白は55℃で固まり始め80℃で完全に固まり、卵黄は65℃で固まり始め75℃でしっかり固まる(教科書。日本大百科全書では卵白58℃から。卵白のほうが低い温度で固まり始める点はどの資料も同じ)。ビタミンCは含まれない。

お菓子の中での役割

  • 泡立てて膨らませる
  • つなぐ
  • 固める
  • コクを出す
  • 焼き色をつける
  • つやを出す

製菓での使い方

ジェノワーズ(共立て法)は、全卵に砂糖を加え、湯煎で35〜40℃に温めてから泡立てる。パウンドケーキ(シュガーバッター法)は、すり混ぜたバターと砂糖に卵を少しずつ加えて乳化させる。シュー生地は卵の量で硬さを決め、ヘラですくって逆三角形に残るのが目安。プディングは卵が熱で固まる力で固める。焼く前に溶き卵を塗ると、つやと焼き色がつく(ドリュール)。

代わりに使うなら

同じ量の別の材料では置き換えられない。卵を使わないなら、卵なしで作るレシピに替える。

この食材を使った有名なお菓子

  • カステラ長崎卵・砂糖・水飴・蜂蜜・小麦粉の生地を木枠で焼く南蛮菓子。
  • パウンドケーキイギリスバター・砂糖・全卵・薄力粉を各1ポンド(1:1:1:1)。
  • プディングイギリス牛乳・卵・砂糖を、卵が熱で固まる力で固める。

選び方

殻にひびがなく、賞味期限内のもの。殻の白・赤は鶏の品種の違いで、栄養はほとんど変わらない。黄身の色はえさで決まり、とうもろこしが多いと黄色く、米や麦が多いと淡くなる。

保存方法

買ったら冷蔵庫(10℃以下)へ。卵の賞味期限は「生で食べられる期限」で、過ぎた卵やひびの入った卵は、しっかり加熱して早めに食べる。

歴史と名前の由来

日本では仏教の影響で卵を避けた時代があり、南蛮人の食文化の影響で食べられるようになったといわれる。カステラ・鶏卵素麺・丸ぼうろなど、卵と砂糖を多く使う南蛮菓子が広まり、卵は、和菓子で使う動物性の材料の、ただ一つの例外になった。1785年には103の卵料理を集めた『万宝料理秘密箱』(通称『卵百珍』)が出た。

気をつけること卵はアレルギー表示の特定原材料(義務)。日本では、サルモネラ属菌が入っている卵は10万個に約3個とされる。割り置きはしない。カステラとスポンジケーキには、卵の黄色が品質の目安になるため、タール色素を使えない。

同じ生の卵の仲間

ほかの卵と並べて比べたいときは、食材図鑑(鶏卵の巻)へ。