衛生法規 第3章:食品衛生法

第3章

衛生法規 第二部 製菓と食品の法律

食品衛生法

はじめに

食品衛生法は、飲食によって健康被害が起きることを防ぐための、食品衛生の中心となる法律である。菓子をつくって売るという営みは、材料の選び方から、使う道具、店の設備、衛生管理のやり方、事故が起きたときの対応まで、ほぼすべてがこの法律の規制を受けている。

食品衛生法は昭和22年(1947年)に制定され、その後何度も改正されてきた。特に、平成30年(2018年)の改正ではHACCPに沿った衛生管理の制度化、営業許可制度の見直し、リコール報告の義務化などが行われ(令和3年6月までに順次施行)、令和6年(2024年)4月には規格基準の策定が消費者庁に移管された。本章では、これらの改正を反映した現行の制度を整理する。

なお、平成30年の改正で条文の番号が大きく変わっている。古い教材では、食中毒の届出を「第58条」、営業許可を「第52条」とするなど、現在と異なる条番号が書かれていることがある。本書は現行の条番号で記述する。

1. 制定と目的

1-1. 制定

食品衛生法は、昭和22年(1947年)12月24日に公布された(法律第233号)。

1-2. 目的(第1条)

この法律は、食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もつて国民の健康の保護を図ることを目的とする。

キーワード意味
公衆衛生の見地から多くの人の健康を守る立場から(「環境衛生の見地」ではない)
飲食に起因する衛生上の危害飲食物が原因で起きる健康被害。食中毒など(「危機」ではなく「危害」)
国民の健康の保護最終的に守るものは国民の健康(「国民の財産」ではない)

2. 定義(第4条)

用語定義
食品すべての飲食物。ただし、医薬品、医薬部外品、再生医療等製品は含まない(これらは医薬品医療機器等法で規制される)
添加物食品の製造の過程において、または食品の加工もしくは保存の目的で、食品に添加・混和・浸潤その他の方法によって使用する物
天然香料動植物から得られた物またはその混合物で、食品の着香の目的で使用される添加物
器具飲食器、割ぽう具その他、食品や添加物の採取・製造・加工・調理・貯蔵・運搬・陳列・授受・摂取に使われ、食品や添加物に直接接触する機械・器具
容器包装食品や添加物を入れ、または包んでいる物で、そのままの状態で引き渡すもの
食品衛生食品、添加物、器具および容器包装を対象とする飲食に関する衛生
営業業として、食品や添加物を採取・製造・輸入・加工・調理・貯蔵・運搬・販売すること、または器具や容器包装を製造・輸入・販売すること。ただし、農業および水産業における食品の採取業は含まない

規制の対象
食品衛生法の規制は食品だけに及ぶのではない。食品、添加物、器具、容器包装が主な対象であり、さらに乳幼児が口に入れるおそれのあるおもちゃと、野菜や食器を洗う洗浄剤にも、規定が準用される。

機能性表示食品やいわゆるサプリメントも「食品」であり、食品衛生法の対象となる。

3. 関係者の責務(第2条・第3条)

関係者主な責務
国・都道府県・保健所設置市・特別区(第2条)食品衛生に関する正しい知識の普及、情報の収集・整理・分析・提供、研究の推進、検査能力の向上、人材の養成と資質の向上。国は、都道府県等への技術的・財政的な援助、国際的な連携を行う
食品等事業者(第3条)自らの責任で、販売する食品等の安全性を確保する。そのために、知識と技術の習得、原材料の安全性の確保、自主検査などに努める。危害の発生を防ぐため、仕入先などの記録を作成・保存するよう努める。危害が発生した場合は、記録の提供、食品等の廃棄など、必要な措置を適確かつ迅速に講じるよう努める

4. 食品と添加物の規制

4-1. 販売などが禁止される食品(第6条)

次のような食品や添加物は、販売すること、また販売のために採取・製造・輸入・加工・使用・調理・貯蔵・陳列することが禁止されている。

  1. 腐敗・変敗したもの、または未熟なもの(ただし、一般に健康を損なうおそれがなく飲食に適すると認められているものを除く)
  2. 有毒・有害な物質が含まれ、もしくは付着し、またはその疑いがあるもの
  3. 病原微生物により汚染され、またはその疑いがあり、人の健康を損なうおそれがあるもの
  4. 不潔、異物の混入または添加その他の事由により、人の健康を損なうおそれがあるもの

これに違反した者は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科あり)に処せられる(第81条)。法人に対しては、1億円以下の罰金を科すことができる(第88条、両罰規定)。

このほか、次のような規制がある。

条文内容
第7条一般に飲食されてこなかった新しい食品(新開発食品)で、健康を損なうおそれがあるものの販売禁止
第8条特別の注意を要する成分を含む食品(指定成分等含有食品)について、事業者に健康被害情報の届出を義務づける。プエラリア・ミリフィカなど4成分が指定されている
第9条特定の国・地域の特定の食品の販売禁止
第10条病気にかかった獣畜や家きんの肉などの販売禁止

4-2. 添加物の指定(第12条)

添加物は、内閣総理大臣が指定したもの(指定添加物)でなければ、販売・製造・使用などができない。天然物であるかどうかは問わない。指定されていない添加物を使うことは禁止されており、この方式をポジティブリスト制度という。

例外として、指定を受けずに使えるのは次の3つだけである。

種類内容例
既存添加物平成7年の法改正時にすでに使われ、長い食経験があるものとして名簿に収載されたもの。新たに追加されることはなく、流通実態がなくなったものは削除されるクチナシ色素 など
天然香料動植物から得られる、着香の目的で使う物質バニラ香料 など
一般飲食物添加物ふだん食品として食べられているものを、添加物として使うものイチゴ果汁(着色の目的)、寒天 など

添加物の成分の規格や製造の基準などをまとめたものが、食品添加物公定書である(第21条)。添加物の種類・用途・表示の詳細は、食品衛生学で扱う。

4-3. 規格基準(第13条)

内閣総理大臣は、公衆衛生の見地から、食品衛生基準審議会の意見を聴いて、販売用の食品や添加物の製造・加工・使用・調理・保存の方法の基準や、成分の規格を定めることができる(第13条第1項)。この基準や規格に合わない食品や添加物は、製造・販売などが禁止される。

規格基準は「食品、添加物等の規格基準」(告示)や「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令」などにまとめられている。

⚠️ 令和6年(2024年)3月までは「厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める」とされていた。古い教材や過去問ではこれが正解になっている。

4-4. 残留農薬のポジティブリスト制度(第13条第3項)

農薬・飼料添加物・動物用医薬品が食品に残留する量について、平成15年(2003年)の法改正でポジティブリスト制度が導入された(平成18年・2006年施行)。

  • 残留基準が定められているもの:その基準を超えて残留する食品の販売などを禁止する
  • 残留基準が定められていないもの:一律基準(0.01ppm)を超えて残留する食品の販売などを禁止する
  • 人の健康を損なうおそれがないことが明らかなもの(対象外物質)は、規制の対象外とする

4-5. 器具・容器包装の規制

  • 有毒・有害な物質を含み、健康を損なうおそれのある器具・容器包装の販売や使用は禁止されている(第15条・第16条)
  • 規格基準が定められた器具・容器包装は、それに合わないものの販売や使用が禁止されている(第18条)
  • 合成樹脂を使った器具・容器包装については、安全性が評価された物質だけを使えるポジティブリスト制度が、令和2年(2020年)6月に導入された。経過措置期間が終わり、令和7年(2025年)6月から完全に施行されている

5. 監視と検査

仕組み内容根拠
食品衛生監視員国や都道府県等の職員として、営業施設の監視・指導を行う。保健所や検疫所に置かれる第30条
立入検査・収去都道府県知事等は、食品衛生監視員に営業施設へ立ち入らせ、検査に必要な限度で食品などを無償で収去させることができる第28条
監視指導指針・計画国が監視指導の指針を定め、都道府県等は毎年度、監視指導計画を定めて公表する第22条〜第24条
輸入の届出販売のために食品などを輸入するときは、そのつど国(検疫所)に届け出る第27条

「収去」とは、検査のために食品を取り上げることである。有償ではなく無償である点が問われる。

6. HACCPに沿った衛生管理(第51条)

6-1. 制度化の経緯

平成30年の改正により、原則としてすべての食品等事業者に、一般的な衛生管理に加えてHACCPに沿った衛生管理を行うことが求められるようになった。令和2年(2020年)6月1日に施行され、1年の猶予期間を経て、令和3年(2021年)6月1日から完全施行されている。

厚生労働大臣は、営業施設の衛生的な管理と、食品衛生上の危害の発生を防止するために特に重要な工程を管理するための取組について、厚生労働省令で基準を定める(第51条第1項)。営業者は、この基準に従って、衛生管理計画を作成し、従事者に周知しなければならない。

※ 規格基準の策定は消費者庁に移ったが、HACCPなどの衛生管理の基準は引き続き厚生労働省が担当している。

6-2. HACCPとは

HACCP(ハサップ/Hazard Analysis and Critical Control Point)とは、食品の製造工程において、健康被害を起こす可能性のある要因(危害要因)をあらかじめ分析し、それを防ぐために特に重要な工程(重要管理点)を決めて、継続的に監視・記録する衛生管理の手法である。できあがった製品を抜き取って検査する方法とは異なり、工程そのものを管理する点に特徴がある。

7原則

原則内容
① 危害要因の分析工程ごとに、どのような危害要因があるかを分析し、管理の方法を決める
② 重要管理点(CCP)の決定危害を防ぐために特に重要な工程を決める(加熱、冷却など)
③ 管理基準の設定重要管理点で守るべき基準(温度、時間など)を決める
④ モニタリング方法の設定管理基準が守られているかを、継続的に確認する方法を決める
⑤ 改善措置の設定管理基準から外れたときの対応を決める
⑥ 検証方法の設定計画どおりに機能しているかを確認する方法を決める
⑦ 記録と保存方法の設定実施した内容を記録し、保存する方法を決める

7原則の前に、HACCPチームの編成、製品説明書の作成、用途と対象者の確認、製造工程一覧図の作成、その現場での確認という5つの準備手順があり、あわせて「7原則12手順」と呼ばれる。詳細は食品衛生学で扱う。

6-3. 事業者の規模による2つの基準

基準対象内容
HACCPに基づく衛生管理大規模事業者、と畜場、食鳥処理場7原則にもとづき、事業者自らが計画を作成して管理する
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理小規模な営業者等(食品を扱う従業員が50人未満の事業場、店舗で製造して同じ店舗で小売販売する営業者、飲食店営業者など)業界団体が作成し、厚生労働省が確認した手引書を参考に、簡略化したやり方で管理する

菓子店の多くは、店舗で製造し同じ店舗で販売する形態であるため、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の対象となる。

7. 営業の許可と届出

7-1. 営業許可(第55条)

公衆衛生に与える影響が大きい営業として政令で定める32業種を営もうとする者は、都道府県知事(保健所設置市・特別区では市長・区長)の許可を受けなければならない。許可には、都道府県等が5年を下らない範囲で有効期間を定める。

令和3年(2021年)6月1日の再編

  • 食中毒のリスクなどをもとに、34業種から32業種に再編された
  • 「あん類製造業」は「菓子製造業」に統合された。「喫茶店営業」は「飲食店営業」に統合された
  • 漬物製造業、水産製品製造業、液卵製造業などが新たに許可業種となった
  • 乳類販売業、氷雪販売業、包装済みの食肉・魚介類だけを販売する営業など、リスクの低い業種は許可から届出に移った
  • 原則として「1施設1許可」となるよう、1つの許可で扱える食品の範囲が広げられた。たとえば、菓子製造業の許可を受けた施設では、調理パンも製造できる

32業種

区分業種
調理・販売など飲食店営業、調理の機能を有する自動販売機により食品を調理し調理された食品を販売する営業、食肉販売業、魚介類販売業、魚介類競り売り営業
処理集乳業、乳処理業、特別牛乳搾取処理業、食肉処理業、食品の放射線照射業
製造菓子製造業、アイスクリーム類製造業、乳製品製造業、清涼飲料水製造業、食肉製品製造業、水産製品製造業、氷雪製造業、液卵製造業、食用油脂製造業、みそ又はしょうゆ製造業、酒類製造業、豆腐製造業、納豆製造業、麺類製造業、そうざい製造業、複合型そうざい製造業、冷凍食品製造業、複合型冷凍食品製造業、漬物製造業、密封包装食品製造業
その他食品の小分け業、添加物製造業
  • 菓子製造業には、パンやあん類の製造も含まれる
  • アイスクリーム類製造業は、菓子製造業とは別の許可である
  • 販売業で許可が必要なのは、食肉販売業と魚介類販売業(包装済みのものだけを売る場合を除く)である。菓子販売業、野菜果物販売業、米穀類販売業は許可の対象ではない(届出の対象)
  • 食品の輸入業は、許可も届出も必要ない

営業施設の基準(施設基準)は、厚生労働省令で定める基準を参酌して、都道府県等が条例で定める(第54条)。

7-2. 営業届出(第57条)

令和3年6月から、許可業種以外の営業も、原則として都道府県知事等への届出が必要になった。菓子やパンの販売業、野菜果物の販売業などがこれにあたる。

次の営業は、届出も不要である。

  • 食品や添加物の輸入業
  • 食品や添加物の運搬業・貯蔵業(冷凍・冷蔵倉庫業を除く)
  • 常温で長期間保存しても腐敗などのおそれがない、容器包装に入った食品や添加物だけの販売業
  • 合成樹脂以外の器具・容器包装の製造業、器具・容器包装の輸入業・販売業

7-3. 行政処分(第59条〜第61条)

処分内容
廃棄命令など(第59条)違反した食品などを廃棄させ、その他危害を除くために必要な処置をとることを命じる
許可の取消し・営業の禁停止(第60条)違反した営業者の許可を取り消し、または営業の全部もしくは一部を禁止し、期間を定めて停止する
改善命令など(第61条)施設が基準に合わない場合などに、施設の整備や改善を命じる

8. 食品衛生責任者と食品衛生管理者

8-1. 3つの役職の違い

項目食品衛生責任者食品衛生管理者食品衛生監視員
根拠食品衛生法施行規則 別表第17食品衛生法第48条食品衛生法第30条
置く場所営業許可・営業届出の対象となる原則すべての施設(施設ごと)施行令第13条で定める特定の食品・添加物を製造・加工する施設(施設ごとに専任)国・都道府県等(保健所、検疫所など)
置く者営業者営業者行政機関
届出保健所へ届け出る(変更時も)置いたときは15日以内に都道府県知事等へ届け出る―
製菓衛生師はなれるかなれる(講習会の受講は不要)なれない(製菓衛生師の資格だけでは不可)なれない

8-2. 食品衛生責任者

  • 令和3年6月1日から、食品衛生法施行規則の定めにより、原則として営業許可や営業届出の対象となるすべての施設で置くことが義務となった(努力義務ではない)
  • それまでは各都道府県の条例で定められていたが、全国共通の基準になった
  • 次のいずれかにあてはまる者がなれる
    1. 食品衛生監視員または食品衛生管理者の資格要件を満たす者
    2. 調理師、製菓衛生師、栄養士、船舶料理士など
    3. 都道府県知事等が行う講習会、または都道府県知事等が適正と認める講習会を受講した者
  • 食品衛生責任者は、講習会を定期的に受講して新しい知見の習得に努め、営業者の指示に従って衛生管理にあたる。営業者は、食品衛生責任者の意見を尊重しなければならない
  • 食品衛生管理者は、食品衛生責任者を兼ねることができる

8-3. 食品衛生管理者(第48条)

製造・加工の過程で特に衛生上の考慮が必要な、次の食品・添加物を製造・加工する施設には、施設ごとに専任の食品衛生管理者を置かなければならない(施行令第13条)。

全粉乳(容量1,400グラム以下の缶に収められるものに限る)、加糖粉乳、調製粉乳、食肉製品(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、放射線照射食品、食用油脂(脱色または脱臭の過程を経て製造されるものに限る)、マーガリン、ショートニング、添加物(規格が定められたものに限る)

食品衛生管理者になれるのは、医師・歯科医師・薬剤師・獣医師、大学などで医学・歯学・薬学・獣医学・畜産学・水産学・農芸化学の課程を修めて卒業した者、厚生労働大臣の登録を受けた養成施設や講習会の課程を修了した者などである。

菓子製造業は、この一覧に含まれない。したがって、菓子製造業の施設に置く義務があるのは食品衛生責任者だけである。

9. 事故が起きたときの制度

9-1. 食品等のリコール(自主回収)の届出(第58条)

営業者が、食品衛生法に違反する食品や、違反するおそれのある食品などを自主回収するときは、回収に着手した旨と回収の状況を、都道府県知事等に届け出なければならない。平成30年の改正で新設され、令和3年6月1日から施行されている。届け出られた情報は、国がまとめて公表する。

なお、食品表示法に違反する食品(アレルゲンの表示漏れなど)の自主回収についても、食品表示法にもとづく届出制度がある(第5章参照)。

9-2. 食中毒の届出と調査(第63条)

食中毒患者等を診断し、又はその死体を検案した医師は、直ちに最寄りの保健所長にその旨を届け出なければならない。(第63条第1項)

食中毒が発生したときの流れは次のとおりである。

  1. 医師 → 最寄りの保健所長へ届け出る(直ちに。施行規則で24時間以内に、文書・電話・口頭で届け出ることとされている)
  2. 保健所長 → 調査を行い、都道府県知事等へ報告する
  3. 都道府県知事等 → 厚生労働大臣へ報告する
  • 届け出るのは「医師」であり、患者本人や営業者の義務ではない
  • 届出先は「最寄りの保健所長」であり、都道府県知事や市町村長ではない
  • 医師がこの届出をしなかった場合も、罰則の対象となる

9-3. 健康被害情報の届出

  • 指定成分等含有食品を扱う事業者は、健康被害の情報を得たときは都道府県知事等に届け出なければならない(第8条)
  • 紅麹を原料とする製品による健康被害を受け、令和6年(2024年)9月1日から、機能性表示食品などについて、医師の診断による健康被害の情報を把握した事業者は、速やかに行政に報告することが義務づけられた(第5章参照)

10. 行政の担当(令和6年4月以降)

事務担当
規格基準の策定、添加物の指定内閣総理大臣(消費者庁)、食品衛生基準審議会
HACCPなど衛生管理の基準、監視指導の指針厚生労働大臣(厚生労働省)
食中毒の報告の受理、輸入食品の監視厚生労働大臣(厚生労働省・検疫所)
営業の許可・届出、立入検査、行政処分都道府県知事等(保健所)
食品健康影響評価(リスク評価)食品安全委員会(内閣府・第4章参照)

試験対策:よくある間違いポイント

試験に出る文です。正しい文(○)と間違った文(×)がまざっています。選んでから答えを確かめてください。

Q1食品衛生管理者を置いたときは、30日以内に届け出なければならない

正しくは:届出は15日以内である

Q2食品衛生とは、食品、添加物、器具および容器包装を対象とする飲食に関する衛生をいう

この文のとおりです。(第4条)

Q3販売用の食品の製造基準や成分規格は、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める

正しくは:令和6年4月から、内閣総理大臣が食品衛生基準審議会の意見を聴いて定める⚠️ 2023年以前の過去問(例:2023年福井県)では「厚生労働大臣」が正解。「消費者庁が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める」という選択肢も、審議会の名前が誤っているため、現行制度でも×である

Q4機能性表示食品は、食品衛生法でいう食品に含まれる

この文のとおりです。

Q5都道府県知事は、公衆衛生の見地から、販売用の食品の製造方法の基準を定めることができる

正しくは:基準や規格を定めるのは国(現在は内閣総理大臣)である

Q6残留基準が定められていない農薬は、一律基準0.001ppmで規制される

正しくは:一律基準は0.01ppmである

Q7病原微生物により汚染されたおそれがあり、人の健康を損なうおそれがある食品は、販売や調理に使用してはならない

この文のとおりです。(第6条)

Q8菓子販売業を営むには、営業許可が必要である

正しくは:菓子販売業は許可の対象ではなく、届出の対象である

Q9天然の添加物であれば、指定を受けなくても自由に使用できる

正しくは:天然物かどうかにかかわらず、原則として指定添加物でなければ使用できない(例外は既存添加物・天然香料・一般飲食物添加物)

Q10営業上使用する器具および容器包装は、清潔で衛生的でなければならない

この文のとおりです。

Q11令和3年6月1日以降の営業許可業種は34業種である

正しくは:32業種である

Q12食品衛生監視員が検査のために食品を収去するときは、代金を支払わなければならない

正しくは:収去は無償で行うことができる

Q13食中毒患者を診断した医師は、都道府県知事に届け出なければならない

正しくは:届出先は最寄りの保健所長である

Q14食品衛生法の営業には、農業や水産業における食品の採取業も含まれる

正しくは:農業・水産業の採取業は含まれない

Q15違反食品を自主回収するときは、都道府県知事への届出は不要である

正しくは:回収に着手した旨などを届け出なければならない(第58条)

Q16食品衛生法でいう食品には、医薬品も含まれる

正しくは:医薬品、医薬部外品、再生医療等製品は含まれない

Q17食品衛生法は、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、国民の健康の保護を図ることを目的とする

この文のとおりです。(第1条)

Q18HACCPに沿った衛生管理は、大規模な事業者だけに義務づけられている

正しくは:原則としてすべての食品等事業者が対象である。小規模事業者は「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を行う

Q19食中毒患者等を診断した医師は、直ちに最寄りの保健所長に届け出なければならない

この文のとおりです。(第63条)

Q20食中毒の届出は、患者を診断した医師が、1週間以内に行えばよい

正しくは:直ちに(24時間以内に)届け出なければならない

Q21都道府県知事は、食品衛生監視員に、営業者が販売する食品等を無償で収去させることができる

この文のとおりです。(第28条)

Q22製菓衛生師であれば、無条件で食品衛生管理者になることができる

正しくは:製菓衛生師がなれるのは食品衛生責任者である

Q23営業者は、可能な限り食品衛生責任者を定めるよう努めなければならない

正しくは:食品衛生責任者を定めることは義務である

Q24食品衛生法の適用を受けるのは食品だけであり、器具や容器包装は対象とならない

正しくは:添加物、器具、容器包装も対象であり、おもちゃや洗浄剤にも準用される

Q25菓子製造業の営業許可は、厚生労働大臣が与える

正しくは:営業許可を与えるのは都道府県知事(保健所設置市・特別区ではその長)である

Q26リスクコミュニケーションの促進は、平成30年の食品衛生法改正で規定された

正しくは:リスクコミュニケーションは食品安全基本法に規定されている(第4章参照)

Q27食品衛生法の目的は、環境衛生の見地から必要な規制を講じ、国民の財産を保護することである

正しくは:公衆衛生の見地から規制を講じ、国民の健康の保護を図ることである

Q28あん類の製造には、菓子製造業とは別に、あん類製造業の許可が必要である

正しくは:令和3年6月から、あん類製造業は菓子製造業に統合された

Q29厚生労働大臣は、営業施設の衛生的な管理や、特に重要な工程を管理するための取組について基準を定める

この文のとおりです。(第51条。HACCPの基準は現在も厚生労働大臣が定める)

Q30すべての菓子製造業者は、食品衛生管理者を置かなければならない

正しくは:菓子製造業は食品衛生管理者の設置対象ではない。置く義務があるのは食品衛生責任者である

Q31食品衛生管理者は、食品衛生責任者を兼ねることができる

この文のとおりです。

Q32令和3年6月1日以降の食品営業許可業種は32業種である

この文のとおりです。

Q33食品輸入業は、営業許可が必要な業種である

正しくは:食品輸入業は、許可も届出も不要である

Q34食品安全委員会の設置は、食品衛生法に規定されている

正しくは:食品安全委員会は食品安全基本法にもとづいて設置されている(第4章参照)

Q35菓子製造業の許可を受けた施設では、あん類やパンも製造できる

この文のとおりです。
結果:

まとめ

  • 食品衛生法は昭和22年(1947年)制定。目的は、公衆衛生の見地から、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防ぎ、国民の健康の保護を図ること
  • 「食品」は、すべての飲食物から医薬品・医薬部外品・再生医療等製品を除いたもの。規制は添加物・器具・容器包装にも及ぶ
  • 腐敗したもの、有毒なもの、病原微生物に汚染されたものなどの販売は禁止。違反は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、法人は1億円以下
  • 添加物は内閣総理大臣の指定を受けたものだけが使える(ポジティブリスト)。規格基準も内閣総理大臣が食品衛生基準審議会の意見を聴いて定める(令和6年4月から)
  • 残留農薬の一律基準は0.01ppm
  • HACCPに沿った衛生管理は、原則すべての事業者が対象(令和3年6月完全施行)。基準は厚生労働大臣が定める
  • 営業許可は都道府県知事が与える。令和3年6月から32業種。あん類製造業は菓子製造業に統合された
  • 食品衛生責任者は原則すべての施設に義務。製菓衛生師はなれる。食品衛生管理者は特定施設のみで、製菓衛生師はなれない。管理者の届出は15日以内
  • 自主回収は都道府県知事等に届出が必要(リコール制度)
  • 食中毒は、医師が直ちに(24時間以内)最寄りの保健所長へ届け出る

※ 本書は令和8年(2026年)9月時点の法令にもとづいています。法令は改正されることがあるため、営業許可などの手続きについては、必ず管轄の保健所にご確認ください。

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