公衆衛生学 第二部 環境と健康
公害と環境問題
はじめに
1950年代から1970年代にかけて、日本は急速な経済成長をとげた。その一方で、工場から出る排水や排煙が十分に処理されないまま、川や海、空気を汚し、各地で深刻な健康被害が起きた。これが公害である。水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそくなどの公害病は、多くの人の命と健康をうばい、今もなお苦しむ人がいる。
公害の経験から、日本は法律を整え、環境を守る仕組みをつくってきた。現在では、工場の排水や排煙による公害は大きく減ったが、自動車の排気ガス、生活排水、騒音など、私たちの日常生活が原因となる環境問題が残っている。さらに、地球温暖化、オゾン層の破壊、海洋プラスチックなど、国境を越えて地球全体にかかわる地球環境問題が大きな課題となっている。
試験では、典型七公害、四大公害病の原因物質と発生地域、大気汚染物質、地球環境問題の原因がよく出題される。とくに、四大公害病の原因物質の取り違え(水俣病とイタイイタイ病など)は定番のひっかけである。
本章では、公害の歴史と法律、典型七公害、大気汚染・水質汚濁などの具体的な内容、ダイオキシン類などの有害物質、そして地球環境問題を学ぶ。なお、公害病のうち、汚染された魚介類や米を食べたことによる被害の詳しい内容は、食品衛生学の本の食品中の有害物質の章で扱う。
1. 公害とは
1-1. 公害の定義
環境基本法では、公害を次のように定義している。
環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。
この7つを典型七公害という。
1-2. 典型七公害
| 公害 | 主な原因・内容 |
|---|---|
| 大気汚染 | 工場の排煙、自動車の排気ガス、ごみの焼却など |
| 水質汚濁 | 工場排水、生活排水、農地からの肥料など |
| 土壌汚染 | 有害物質をふくむ排水や廃棄物、工場跡地など |
| 騒音 | 工場、建設作業、自動車、航空機、鉄道、店舗や家庭の生活音など |
| 振動 | 工場、建設作業、道路交通など |
| 地盤沈下 | 地下水のくみ上げすぎなど |
| 悪臭 | 工場、畜産農業、飲食店、ごみ処理など |
このうち、騒音・振動・悪臭は、人の感覚に直接うったえ、不快感や生活の妨げとして感じられることから、感覚公害とよばれる。感覚公害は、工場だけでなく、店舗や家庭など身近なところが発生源となることが多い。全国の公害苦情の中でも、騒音や大気汚染(野外での焼却など)に関する苦情が多い。
⚠️ 典型七公害に「酸性雨」「放射能汚染」「日照不足」などはふくまれない。「酸性雨は典型七公害の一つである」という選択肢は誤り。酸性雨は地球環境問題の一つとして扱われる(5-4参照)。
1-3. 公害対策のあゆみ
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1956年 | 熊本県で水俣病が公式に確認された |
| 1965年 | 新潟県で新潟水俣病(第二水俣病)が確認された |
| 1967年 | 公害対策基本法が制定された |
| 1968年 | イタイイタイ病が、国によって初めて公害病と認定された |
| 1970年 | 「公害国会」で、公害に関する14の法律が制定・改正された。廃棄物処理法もこのとき制定された |
| 1971年 | 環境庁が発足した |
| 1973年 | 公害健康被害補償法が制定された |
| 1993年 | 公害対策基本法にかわり、環境基本法が制定された |
| 2001年 | 環境庁が環境省になった |
環境基本法は、公害の防止だけでなく、自然環境の保全や地球環境の保全もふくめた、環境政策の基本となる法律である。国は、この法律にもとづき、人の健康を守り、生活環境を保全するうえで維持されることが望ましい基準として、大気、水質、土壌、騒音について環境基準を定めている。
2. 四大公害病
高度経済成長期に起きた公害病のうち、とくに被害の大きかった次の四つを四大公害病という。
| 公害病 | 原因物質 | 発生地域 | 主な症状・特徴 |
|---|---|---|---|
| 水俣病 | メチル水銀(有機水銀) | 熊本県水俣湾周辺(鹿児島県の一部をふくむ) | 手足のしびれ、言葉の障害、視野がせまくなる、運動失調などの神経症状。メチル水銀が生物濃縮された魚介類を食べて発生。胎盤を通して胎児にも影響した(胎児性水俣病) |
| 新潟水俣病 | メチル水銀 | 新潟県阿賀野川流域 | 水俣病と同じ症状 |
| イタイイタイ病 | カドミウム | 富山県神通川流域 | 腎臓の障害と、骨軟化症(骨がもろくなり、わずかな動作で骨折し、激しい痛みが続く)。カドミウムに汚染された水や米が原因 |
| 四日市ぜんそく | 硫黄酸化物(二酸化硫黄〔亜硫酸ガス〕など) | 三重県四日市市 | ぜんそくなどの呼吸器の病気。石油化学コンビナートの排煙が原因 |
生物濃縮とは、環境中にわずかにふくまれる物質が、食物連鎖を通じて、小さな生物から大きな生物へと移るうちに、高い濃度にたまっていく現象である。水俣病では、工場排水にふくまれたメチル水銀が、海のプランクトンから小魚、大きな魚へと濃縮され、それを食べた人に被害が出た。
水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病は、汚染された水や食べ物を通じて起きた公害病で、四日市ぜんそくは、汚染された空気によって起きた公害病である。
⚠️ 原因物質の取り違えに注意する。「水俣病=メチル水銀」「イタイイタイ病=カドミウム」「四日市ぜんそく=硫黄酸化物」。「水俣病の原因はカドミウム」「四日市ぜんそくの原因はメチル水銀」という選択肢は誤り。
3. 大気汚染
3-1. 主な大気汚染物質
国は、次のような大気汚染物質について環境基準を定めている。
| 物質 | 主な発生源 | 健康への影響など |
|---|---|---|
| 二酸化硫黄(SO₂) | 石油・石炭など、硫黄をふくむ燃料の燃焼 | ぜんそくなどの呼吸器の病気(四日市ぜんそく)。酸性雨の原因 |
| 二酸化窒素(NO₂) | 自動車の排気ガス、工場、ボイラーなどの燃焼 | 呼吸器への影響。光化学オキシダントや酸性雨の原因 |
| 一酸化炭素(CO) | 自動車の排気ガスなどの不完全燃焼 | 酸素の運搬をさまたげる(第4章参照) |
| 浮遊粒子状物質(SPM) | 工場、自動車(とくにディーゼル車)、土ぼこりなど | 大気中に浮かぶ粒子のうち、直径10μm以下のもの。呼吸器に入りこむ |
| 微小粒子状物質(PM2.5) | 燃焼による排出、大気中での化学反応、海外からの飛来(越境汚染) | 直径2.5μm以下のとても小さな粒子。肺の奥深くまで入りこみ、呼吸器や循環器の病気、肺がんのリスクを高める |
| 光化学オキシダント | 窒素酸化物と揮発性有機化合物が、紫外線によって反応してできる(オゾンなど) | 光化学スモッグの原因。目がちかちかする、のどの痛み、息苦しさ |
※ μm(マイクロメートル)は1,000分の1mm。PM2.5の大きさは、髪の毛の太さの約30分の1である。
3-2. 光化学スモッグ
光化学スモッグは、工場や自動車から出る窒素酸化物と揮発性有機化合物(塗料や溶剤などから出る)が、太陽の紫外線を受けて化学反応を起こし、光化学オキシダントができることで発生する。夏の、日差しが強く、気温が高く、風の弱い日に起こりやすい。
光化学オキシダントの濃度が高くなると、都道府県などが光化学スモッグ注意報を出す。注意報が出たら、屋外での激しい運動を避け、目やのどに異常を感じたら、屋内に入って目を洗い、うがいをする。
光化学オキシダントは、ほかの大気汚染物質と比べて改善が進んでおらず、環境基準をほとんどの測定局で達成できていない。
3-3. 大気汚染の改善
日本の大気汚染は、大気汚染防止法(1968年)による工場の排煙の規制、燃料の硫黄分の低減、排煙脱硫装置の設置、自動車の排気ガス規制などによって、大きく改善した。二酸化硫黄や一酸化炭素は、ほぼすべての測定局で環境基準を達成している。
一方、PM2.5や光化学オキシダントは、海外からの越境汚染の影響もあり、引き続き対策が必要である。
4. 水質汚濁・土壌汚染・その他の公害
4-1. 水質汚濁
水質汚濁防止法(1970年)によって、工場や事業場からの排水が規制されている。水質の環境基準には、次の二つがある。
| 区分 | 内容 | 主な項目 |
|---|---|---|
| 人の健康の保護に関する環境基準(健康項目) | 有害物質について、すべての公共用水域で一律に定める | カドミウム、鉛、六価クロム、ヒ素、総水銀、アルキル水銀(検出されないこと)、PCB(検出されないこと)、トリクロロエチレンなど |
| 生活環境の保全に関する環境基準(生活環境項目) | 川、湖、海の利用目的に応じて、水域ごとに定める | BOD、COD、DO、SS、pH、大腸菌数、全窒素、全リンなど |
⚠️ 生活環境項目の「大腸菌群数」は、2022年4月から、ふん便による汚染をより正確に示す「大腸菌数」に変更された。
工場排水への規制が進んだ現在、川や湖、海の汚れの主な原因は、生活排水である(第5章参照)。
4-2. 土壌汚染
土壌汚染は、有害物質をふくむ排水がしみこんだり、廃棄物が埋められたりすることで起こる。土の中の有害物質は、移動しにくく、長い間残りやすい。汚染された土を直接口に入れたり、汚染された地下水を飲んだりすることで、健康に影響する。土壌汚染対策法(2002年)によって、工場の跡地などの土壌汚染の調査と対策が定められている。
4-3. 騒音・振動・悪臭・地盤沈下
| 公害 | 内容 |
|---|---|
| 騒音 | 音の大きさはデシベル(dB)で表す。騒音規制法で、工場や建設作業、自動車の騒音が規制されている。うるさい環境では、会話や睡眠がさまたげられ、ストレスや不眠の原因になる。強い騒音に長い間さらされると騒音性難聴になる(第11章参照) |
| 振動 | 振動規制法で、工場や建設作業、道路交通の振動が規制されている。不快感や、建物への影響が生じる |
| 悪臭 | 悪臭防止法で、アンモニア、硫化水素など特定悪臭物質の濃度、または人の嗅覚で測る臭気指数によって規制されている。飲食店や食品工場のにおいが苦情の原因になることもある |
| 地盤沈下 | 地下水のくみ上げすぎによって、地盤が沈む。いったん沈んだ地盤はほとんど元に戻らない。地下水のくみ上げの規制によって、現在は沈静化している地域が多い |
5. 有害化学物質
5-1. ダイオキシン類
ダイオキシン類は、人が意図してつくる物質ではなく、ごみの焼却など、物が燃えるときに、塩素をふくむ物質から意図せずにできてしまう化学物質である。とくに、低い温度で不完全に燃やしたときに発生しやすい。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 性質 | 水にとけにくく、脂肪にとけやすい。分解されにくく、体の脂肪にたまりやすい |
| 主な健康への影響 | 発がん性、生殖や発育への影響、免疫への影響などが心配される |
| 体に入る経路 | 大部分が食べ物から(とくに魚介類、肉、乳製品などの脂肪分) |
| 耐容一日摂取量(TDI) | 体重1kgあたり1日4pg-TEQ |
| 対策 | ダイオキシン類対策特別措置法(1999年)。ごみ焼却炉の改良(高温で完全燃焼させる)などにより、排出量は大きく減った |
※ pg(ピコグラム)は1兆分の1グラム。TEQは毒性の強さで換算した量を表す。
耐容一日摂取量(TDI)とは、一生の間、毎日とり続けても健康に影響が出ないと考えられる1日あたりの量である。現在の日本人のダイオキシン類の摂取量は、TDIを大きく下回っている(食品衛生学の本の食品中の有害物質の章を参照)。
5-2. PCBと内分泌かく乱化学物質
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、熱に強く、電気を通しにくいため、変圧器などに使われていた。1968年に、PCBが混入した食用油によるカネミ油症事件が起き、その後、製造が禁止された(食品衛生学の本の食品中の有害物質の章を参照)。
体内のホルモンの働きをかく乱するおそれのある化学物質を内分泌かく乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)という。ダイオキシン類やPCBの一部などが疑われており、研究が続けられている。
5-3. アスベスト(石綿)
アスベスト(石綿)は、天然の鉱物の繊維で、熱や摩擦に強く、安価なため、建材などに広く使われてきた。しかし、とても細い繊維を吸いこむと、肺に長くとどまり、数十年たってから、中皮腫、肺がん、石綿肺(じん肺の一種)などを起こすことがわかった。
日本では、2006年にアスベストをふくむ製品の製造・使用などが原則として全面的に禁止された。現在は、古い建物を解体するときに、アスベストが飛び散らないように対策をとることが義務づけられている。
6. 地球環境問題
6-1. 地球温暖化
地球温暖化は、人間の活動によって大気中の温室効果ガスがふえ、地球の平均気温が上がる現象である。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な温室効果ガス | 二酸化炭素(最も影響が大きい)、メタン、一酸化二窒素、代替フロン類など |
| 主な原因 | 石油・石炭などの化石燃料の燃焼、森林の減少 |
| 主な影響 | 海面の上昇、豪雨や干ばつなどの異常気象、生態系の変化、農作物への影響 |
| 健康への影響 | 熱中症の増加、デング熱などを媒介する蚊の生息域の拡大(第8章参照)、大気汚染の悪化 |
| 国際的な取り組み | 京都議定書(1997年)、パリ協定(2015年。世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする) |
日本は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする(カーボンニュートラル)目標をかかげている。
6-2. オゾン層の破壊
地上から10〜50kmほどの上空(成層圏)には、オゾン層があり、太陽からの有害な紫外線を吸収して、地上の生物を守っている。
冷蔵庫やエアコンの冷媒、スプレーなどに使われていたフロン(クロロフルオロカーボン)は、上空に上がると紫外線で分解されて塩素を出し、オゾン層を破壊する。とくに、南極の上空では、春になるとオゾンが大きく減るオゾンホールが観測されている。
オゾン層が破壊されると、地上に届く有害な紫外線がふえ、皮膚がんや白内障がふえるおそれがある(第4章参照)。
国際的には、ウィーン条約(1985年)とモントリオール議定書(1987年)によって、フロンの生産が規制された。その結果、オゾン層は回復に向かっていると考えられている。なお、フロンのかわりに使われてきた代替フロンは、オゾン層は破壊しないが、強い温室効果をもつため、現在は削減が進められている。
⚠️ オゾン層を破壊する主な原因はフロンであり、二酸化炭素ではない。二酸化炭素は地球温暖化の主な原因である。
6-3. 酸性雨
酸性雨は、工場や自動車から出る硫黄酸化物や窒素酸化物が、大気中で硫酸や硝酸に変わり、雨にとけて降るもので、一般にpH5.6以下の雨をいう。湖や川の生物の死滅、森林の枯死、建物や銅像の腐食などの被害を起こす。汚染物質は、風に乗って国境を越えて運ばれるため、国際的な取り組みが必要である。
6-4. 海洋プラスチックとその他の問題
捨てられたプラスチックごみが川から海に流れこみ、海の生物にからまったり、えさとまちがえて食べられたりする海洋プラスチックごみの問題が深刻になっている。プラスチックは自然の中でほとんど分解されず、波や紫外線によって細かくくだけ、大きさ5mm以下のマイクロプラスチックになる。マイクロプラスチックは、魚介類の体内からも見つかっており、生態系や健康への影響が心配されている。
日本では、2020年7月からレジ袋の有料化が始まり、2022年4月にはプラスチック資源循環促進法が施行され、使い捨てプラスチックの削減とリサイクルが進められている。
このほか、地球環境問題には、熱帯林の減少、砂漠化、野生生物の種の減少(生物多様性の喪失)などがある。
| 地球環境問題 | 主な原因物質・原因 |
|---|---|
| 地球温暖化 | 二酸化炭素などの温室効果ガス |
| オゾン層の破壊 | フロン |
| 酸性雨 | 硫黄酸化物・窒素酸化物 |
| 海洋プラスチック | 捨てられたプラスチックごみ |
7. 製菓とのつながり
7-1. 菓子店も感覚公害の発生源になりうる
公害というと大きな工場を思いうかべるが、身近な店舗も感覚公害の発生源になりうる。早朝や深夜の仕込みでのミキサーや換気扇の音、冷蔵設備の室外機の音や振動、オーブンや揚げ物のにおいは、近所の住民にとっては悩みの種になることがある。菓子の甘い香りでも、毎日強く続けば苦情の原因になる。
換気扇の向きや位置を工夫する、室外機に防音や防振の対策をする、早朝の作業や搬入の音に気をつける、排気口の清掃をこまめに行うなど、地域の一員として配慮することが大切である。
7-2. 包装とプラスチック
菓子は、湿気や乾燥、酸化、衝撃から守るために、プラスチックの包装材やトレー、乾燥剤、脱酸素剤を多く使う食品である。包装は品質と安全を守るために欠かせないが、使いすぎればプラスチックごみをふやすことになる。
過剰な個包装を見直す、紙など環境への負担の少ない素材を選ぶ、持ち帰り用の袋を必要な人にだけ渡すなどの工夫が広がっている。ただし、包装を減らすことで、菓子が湿気たり、カビが生えたり、異物が混入したりしては意味がない。品質と安全を守ったうえで、環境への負担を減らすことが求められる。
7-3. 地球温暖化と菓子の原材料
地球温暖化による異常気象は、菓子の原材料にも影響している。カカオ、コーヒー、バニラ、果物、小麦、砂糖などの農作物は、高温や干ばつ、豪雨の影響を受けやすく、収穫量の減少や価格の高騰がたびたび起きている。菓子づくりは、世界の自然環境の上に成り立っている仕事であり、環境問題は菓子職人にとっても身近な問題である。
試験対策:よくある間違いポイント
試験に出る文です。正しい文(○)と間違った文(×)がまざっています。選んでから答えを確かめてください。
Q1マイクロプラスチックとは、大きさ5mm以下の微細なプラスチックをいう
Q2イタイイタイ病の原因物質は、有機水銀である
Q3地盤沈下の主な原因は、大気汚染である
Q4新潟水俣病は、新潟県の信濃川流域で発生した
Q5ダイオキシン類は、水にとけやすく、体内にたまりにくい
Q6水俣病は、メチル水銀が生物濃縮された魚介類を食べることで発生し、胎盤を通して胎児にも影響した
Q7ダイオキシン類は、ごみの焼却などによって意図せずに生成される
Q8環境基本法では、騒音、振動、地盤沈下などを典型七公害としている
Q9地球温暖化の主な原因は、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加である
Q10水俣病は、カドミウムが蓄積された魚介類を摂取することで発生した
Q11イタイイタイ病は、富山県神通川流域で発生し、カドミウムによる腎臓障害と骨軟化症を特徴とする
Q12四日市ぜんそくの原因物質は、メチル水銀である
Q13酸性雨の主な原因物質は、フロンである
Q14光化学スモッグは、冬の曇った風の強い日に発生しやすい
Q15ダイオキシン類は、蓄積性が高く、微量でも持続的に摂取すると影響が出る可能性がある
Q16PM2.5は、肺の奥深くまで入りこみ、呼吸器や循環器に影響をおよぼす
Q17光化学オキシダントは、窒素酸化物と揮発性有機化合物が紫外線を受けて反応することで生じる
Q18ダイオキシン類の耐容一日摂取量(TDI)は、体重1kgあたり1日4mg-TEQである
Q19大気汚染物質には、二酸化硫黄、一酸化炭素、二酸化窒素などが挙げられる
Q20イタイイタイ病の主な症状は、手足のしびれや視野がせまくなるなどの神経症状である
Q21環境基本法で規定されている典型七公害には、酸性雨がふくまれる
Q22アスベストは、吸いこんですぐに急性の中毒症状を起こす
Q23PM2.5とは、直径が10μm以下の粒子状物質である
Q24典型七公害のうち、騒音・振動・地盤沈下を感覚公害という
Q25オゾン層を破壊する主な原因物質は、二酸化炭素である
まとめ
公害とは、人の活動によって生じる、大気の汚染・水質の汚濁・土壌の汚染・騒音・振動・地盤の沈下・悪臭(典型七公害)によって、人の健康や生活環境に被害が生じることである(環境基本法)。騒音・振動・悪臭は感覚公害とよばれる。日本は、公害対策基本法(1967年)、環境庁の発足(1971年)を経て、環境基本法(1993年)を定め、2001年に環境省が発足した。
四大公害病は、水俣病(メチル水銀・熊本県・神経症状・生物濃縮・胎児にも影響)、新潟水俣病(メチル水銀・阿賀野川流域)、イタイイタイ病(カドミウム・富山県神通川流域・腎臓障害と骨軟化症)、四日市ぜんそく(硫黄酸化物・三重県四日市市・呼吸器の病気)である。
主な大気汚染物質は、二酸化硫黄、二酸化窒素、一酸化炭素、浮遊粒子状物質(10μm以下)、PM2.5(2.5μm以下。肺の奥まで入り、呼吸器・循環器に影響)、光化学オキシダント(窒素酸化物と揮発性有機化合物が紫外線で反応。夏の晴れた風の弱い日に光化学スモッグ)である。
ダイオキシン類は、ごみの焼却などで意図せずにでき、脂肪にとけやすく体にたまりやすい(TDIは4pg-TEQ/kg体重/日)。アスベストは、数十年後に中皮腫や肺がんを起こす。
地球環境問題には、地球温暖化(二酸化炭素などの温室効果ガス。パリ協定)、オゾン層の破壊(フロン。有害な紫外線の増加。モントリオール議定書)、酸性雨(硫黄酸化物・窒素酸化物。pH5.6以下)、海洋プラスチック(5mm以下のマイクロプラスチック)などがある。
菓子店も、音やにおいによる感覚公害、包装のプラスチックごみを通じて、環境とかかわっている。第二部はここまでである。次章からは第三部として、病気の予防について学ぶ。まずは、公衆衛生の原点である感染症の予防である。
※ 本書は、令和7年の人口動態統計、令和7年簡易生命表、令和8年10月時点の法令・制度にもとづいています。

