栄養学 第一部 栄養素のはなし
ビタミン
はじめに
ビタミンは、エネルギーにもならず、体の材料にもならない。必要な量も、1日に数マイクログラムから数十ミリグラムと、ごくわずかである。それでも、ビタミンが1つ欠けるだけで、体の中の化学反応がうまく進まなくなり、さまざまな病気が起こる。ビタミンは、体という工場の機械をなめらかに動かす「潤滑油」のような存在である。
試験では、ビタミンの種類と欠乏症の組み合わせが最もよく問われる。夜盲症はビタミンA、脚気はビタミンB1、壊血病はビタミンC。この対応を正確に覚えることが、栄養学で得点するための近道である。
本章では、13種類のビタミンを、脂溶性と水溶性に分けて整理し、それぞれのはたらき・欠乏症・過剰症・多い食品・食事摂取基準(2025年版)の基準を示す。2025年版で変わったビタミンB12とビタミンDの基準にも注意してほしい。
1. ビタミンとは
1-1. 定義と特徴
ビタミンは、次のような特徴をもつ有機化合物の総称である。
- 微量で、体の機能を正常に保つためにはたらく
- エネルギー源にならず、体の構成成分にもならない
- 体内で合成できないか、合成できても必要量に足りないため、食事からとる必要がある
- 多くは、酵素のはたらきを助ける補酵素の成分として、代謝にかかわる
ミネラル(無機質)が「無機物」であるのに対し、ビタミンは炭素を含む「有機物」である点が異なる。
1-2. ビタミンの発見
ビタミンの研究は、白米を食べる地域に多かった脚気の研究から始まった(第1章参照)。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1910年 | 鈴木梅太郎が米ぬかから脚気を防ぐ成分を取り出す(オリザニン) |
| 1912年 | ポーランド出身の生化学者フンクが、同じような成分を取り出し、「生命(vita)に必要なアミン(amine)」という意味で「ビタミン(vitamine)」と名づける |
その後、次々と新しいビタミンが発見され、A・B・C……とアルファベット順に名前がつけられた。現在、食事摂取基準で扱われているビタミンは13種類である。
1-3. 脂溶性ビタミンと水溶性ビタミン
ビタミンは、油に溶けるか水に溶けるかで、2つに分けられる。
| 脂溶性ビタミン | 水溶性ビタミン | |
|---|---|---|
| 種類 | 4種類:A、D、E、K | 9種類:B1、B2、ナイアシン、B6、B12、葉酸、パントテン酸、ビオチン、C |
| 溶けるもの | 油(脂質) | 水 |
| 吸収 | 油と一緒にとると吸収がよい | 水と一緒に吸収される |
| 体内での蓄積 | 肝臓や脂肪組織にたまりやすい | 余った分は尿に排泄される。ためておけない |
| とりすぎ(過剰症) | 起こりやすい(特にサプリメント) | 起こりにくい |
| 調理による損失 | 少ない | 洗う・ゆでると水に溶け出しやすい |
覚え方
脂溶性ビタミンは、「D・A・K・E(だけ)」と覚えるとよい。それ以外は、すべて水溶性である。
2. 脂溶性ビタミン
2-1. 一覧
| ビタミン | 主なはたらき | 欠乏症 | 過剰症 | 多く含む食品 |
|---|---|---|---|---|
| ビタミンA | 暗いところで見るための目の色素の成分、皮膚・粘膜を健康に保つ、成長 | 夜盲症(暗いところで見えにくい)、角膜乾燥症、皮膚の乾燥 | 頭痛、吐き気、肝臓の障害、妊娠初期の胎児の奇形 | レバー、うなぎ、卵黄、バター、緑黄色野菜(β-カロテンとして) |
| ビタミンD | 小腸でのカルシウム・リンの吸収を促す、骨や歯の形成 | くる病(子ども)、骨軟化症(大人)、骨粗鬆症 | 高カルシウム血症、腎臓の障害 | 魚(さけ、いわし、さんま)、きのこ(干ししいたけ、きくらげ)、卵黄 |
| ビタミンE | 抗酸化作用(細胞膜の脂質の酸化を防ぐ) | 溶血性貧血(未熟児)、神経の障害(いずれもまれ) | (食品からではまれ) | 植物油、ナッツ(アーモンド)、かぼちゃ、魚卵 |
| ビタミンK | 血液を固める(凝固)、骨の形成 | 血液が固まりにくくなる(出血しやすい)、新生児の頭蓋内出血 | (まれ) | 納豆、緑黄色野菜、海藻、抹茶 |
2-2. ビタミンA
- 動物性食品にはレチノールとして含まれる
- 植物性食品には、体内で必要に応じてビタミンAに変わるβ-カロテンなどのプロビタミンAとして含まれる。β-カロテンは、ビタミンAとしての効力を、レチノールの12分の1として計算する
- β-カロテンは必要な分だけビタミンAに変わるため、とりすぎてもビタミンAの過剰症にはなりにくい。とりすぎると皮膚が黄色くなる(柑皮症)ことがあるが、害はない
- 単位はμgRAE(レチノール活性当量)で表す
- 妊娠を考えている女性や妊娠初期の女性は、レバーなどレチノールの多い食品やサプリメントのとりすぎに注意する
2-3. ビタミンD
- きのこに含まれるビタミンD2と、魚などに含まれるビタミンD3がある
- 日光(紫外線)を浴びると、皮膚で合成される。2025年版では「適度な日光浴を心がける」ことが明記されている
- 肝臓と腎臓ではたらいて活性型ビタミンDになり、ホルモンのように、腸でのカルシウムの吸収を促す(第9章参照)
- 子どもで不足すると骨が曲がるくる病、大人では骨がやわらかくなる骨軟化症、高齢者では骨粗鬆症につながる
2-4. ビタミンE
- 主な形はα-トコフェロール
- 自らが酸化されることで、細胞膜の不飽和脂肪酸が酸化されるのを防ぐ(第3章参照)
- 植物油やナッツには、酸化しやすい不飽和脂肪酸と一緒に、それを守るビタミンEも多く含まれている
2-5. ビタミンK
- 緑黄色野菜に含まれるビタミンK1と、納豆菌や腸内細菌がつくるビタミンK2がある
- 血液を固めるのに必要なたんぱく質(プロトロンビンなど)を肝臓でつくるために必要
- 腸内細菌でもつくられるため、成人では不足しにくい
- 新生児は、腸内細菌が少なく、母乳中のビタミンKも少ないため不足しやすい。そのため、出生後にビタミンK2シロップを飲ませる
- 血液を固まりにくくする薬(ワルファリン)を飲んでいる人は、薬の効き目が弱まるため、納豆などビタミンKの多い食品を控えるよう指導される
3. 水溶性ビタミン
3-1. ビタミンB群の一覧
ビタミンB1・B2・ナイアシン・B6・B12・葉酸・パントテン酸・ビオチンの8種類を、まとめてビタミンB群という。多くは、エネルギーをつくる代謝の補酵素としてはたらく。
| ビタミン | 主なはたらき | 欠乏症 | 多く含む食品 |
|---|---|---|---|
| ビタミンB1(チアミン) | 糖質の代謝(糖質からエネルギーをつくる) | 脚気、ウェルニッケ脳症 | 豚肉、玄米・胚芽米、うなぎ、大豆 |
| ビタミンB2(リボフラビン) | エネルギーの代謝(特に脂質の代謝)、成長を促す | 口角炎、口唇炎、舌炎、皮膚炎 | レバー、牛乳、卵、納豆、うなぎ |
| ナイアシン | エネルギーの代謝 | ペラグラ | 魚(かつお、まぐろ)、肉、レバー |
| ビタミンB6(ピリドキシン) | アミノ酸(たんぱく質)の代謝 | 皮膚炎、口内炎、貧血 | 魚、レバー、肉、バナナ |
| ビタミンB12(コバラミン) | 赤血球の形成、神経のはたらき | 悪性貧血(巨赤芽球性貧血)、神経の障害 | 貝(しじみ、あさり)、レバー、魚、肉 |
| 葉酸 | 核酸(DNA)の合成、赤血球の形成、胎児の発育 | 巨赤芽球性貧血、胎児の神経管閉鎖障害 | 緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリー)、レバー、豆類 |
| パントテン酸 | エネルギーの代謝(補酵素Aの成分) | (ふつうの食事ではまれ) | 広く含まれる(レバー、鶏肉、納豆) |
| ビオチン | エネルギーの代謝 | 皮膚炎、脱毛(まれ) | レバー、卵黄、大豆 |
3-2. ビタミンC
| ビタミン | 主なはたらき | 欠乏症 | 多く含む食品 |
|---|---|---|---|
| ビタミンC(アスコルビン酸) | コラーゲンの合成(皮膚・骨・血管を丈夫にする)、抗酸化作用、鉄の吸収を促す、免疫、ストレスへの抵抗 | 壊血病(歯ぐきや皮膚からの出血、傷が治りにくい) | 果物(いちご、キウイフルーツ、柑橘類、アセロラ)、野菜(赤ピーマン、ブロッコリー、菜の花)、じゃがいも、さつまいも |
4. 水溶性ビタミンの一つひとつ
4-1. ビタミンB1
- 糖質からエネルギーをつくるときに欠かせない。糖質を多くとるほど、必要量も増える
- 白米を主食とし、おかずの少ない食事では不足しやすい。不足すると、疲れやすい、食欲がない、手足のしびれやむくみが起こり、進むと脚気(末梢神経の障害、心臓の機能低下)になる
- 大量の飲酒を続ける人では、脳の障害であるウェルニッケ脳症が起こることがある
- にんにく・玉ねぎ・にらに含まれるアリシンと結びつくと、吸収がよくなり、体内に長くとどまる
- 生の貝類やわらびなどには、ビタミンB1を分解する酵素(アノイリナーゼ)が含まれている。加熱すれば酵素ははたらかなくなる
- 熱やアルカリに弱い
4-2. ビタミンB2
- 脂質をエネルギーに変えるときに特に必要で、「成長のビタミン」ともいわれる
- 不足すると、唇の両端が切れる口角炎、唇の炎症、舌の炎症、皮膚炎が起こる
- 光に弱い。牛乳の瓶が茶色だったり、紙パックに入っていたりするのは、光でビタミンB2がこわれるのを防ぐためでもある
4-3. ナイアシン
- ニコチン酸とニコチンアミドの総称
- 必須アミノ酸のトリプトファンからも、体内で合成される(トリプトファンの60分の1の量)。そのため、ナイアシン量は、トリプトファンから合成される分を含めたナイアシン当量(mgNE)で表す
- 不足するとペラグラになる。ペラグラは、皮膚炎(Dermatitis)、下痢(Diarrhea)、認知症(Dementia)の3つの症状が特徴で、頭文字から「3つのD」と呼ばれる
- とうもろこしを主食とする地域で多く見られた。とうもろこしはナイアシンが利用されにくく、トリプトファンも少ないためである
4-4. ビタミンB6
- アミノ酸の代謝にかかわるため、たんぱく質を多くとる人ほど必要量が増える
- 腸内細菌もつくるため、ふつうの食事では不足しにくい
4-5. ビタミンB12
- 分子の中心に、ミネラルのコバルトを含む
- 吸収されるためには、胃から出る内因子という物質と結びつく必要があり、小腸の最後の部分(回腸)で吸収される
- 胃を手術で切除した人や、胃の粘膜が衰えた高齢者は、内因子が出にくく、吸収できずに不足することがある。これによる貧血を悪性貧血という
- 動物性食品にしか含まれず、植物性食品にはほとんど含まれない。肉・魚・卵・乳製品をまったくとらない菜食(ヴィーガン)では、不足に注意が必要である
4-6. 葉酸
- ほうれん草の葉から発見されたことから、この名がついた
- 細胞が分裂するときに必要なDNAの合成にかかわる。赤血球や、胎児の体がつくられるときに特に重要
- 不足すると、大きくて未熟な赤血球ができる巨赤芽球性貧血になる
- 妊娠の初期に不足すると、胎児の脳や脊髄のもとになる神経管がうまくつくられない神経管閉鎖障害(二分脊椎など)のリスクが高まる(本章6参照)
- 光や熱に弱い
4-7. パントテン酸とビオチン
- パントテン酸は、ギリシャ語で「どこにでもある」という意味の言葉から名づけられた。その名のとおり多くの食品に含まれ、不足することはまれである
- ビオチンは、腸内細菌もつくるため、ふつうは不足しない。ただし、生の卵白に含まれるアビジンというたんぱく質は、ビオチンと結びついて吸収を妨げる。生の卵白を大量に食べ続けると不足することがあるが、加熱すればアビジンははたらかなくなる
4-8. ビタミンC
- 皮膚・骨・血管の材料であるコラーゲンをつくるために必要。不足すると血管がもろくなり、歯ぐきや皮膚から出血しやすくなる。これが壊血病である
- 大航海時代には、新鮮な野菜や果物が手に入らない長い航海で、多くの船員が壊血病で命を落とした。柑橘類を食べると防げることがわかり、レモンやライムが船に積まれるようになった
- 強い抗酸化作用をもつ
- 植物性食品に含まれる鉄(非ヘム鉄)を、吸収されやすい形に変えて、鉄の吸収を助ける(第6章参照)
- 人は、サルやモルモットと同じく、体内でビタミンCをつくることができない
- ストレスや喫煙で消費が増える
- 熱・水・空気(酸化)に弱い。ただし、じゃがいものビタミンCは、でんぷんに守られているため加熱しても比較的失われにくい
5. 調理とビタミンの損失
ビタミンは、調理によって失われることがある。特に水溶性ビタミンは損失が大きい。
| 原因 | 失われやすいビタミン | 防ぐ工夫 |
|---|---|---|
| 水に溶け出す(洗う、水にさらす、ゆでる) | ビタミンB群、ビタミンC | 切る前に洗う、水にさらしすぎない、ゆで時間を短くする、蒸す・電子レンジで加熱する、汁ごと食べる |
| 熱 | ビタミンB1、ビタミンC、葉酸 | 加熱を短時間にする |
| 光 | ビタミンB2、ビタミンA | 光の当たらない場所で保存する |
| 空気(酸化) | ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE | 切ったらすぐに使う、空気に触れさせない |
| アルカリ | ビタミンB1 | 重曹を加えて加熱しすぎない |
ビタミンCを酸化させる酵素
きゅうりやにんじんには、ビタミンCを酸化させる酵素(アスコルビン酸オキシダーゼ)が含まれている。これらをすりおろして、ビタミンCの多い大根おろしなどと混ぜると、ビタミンCが酸化される。酢やレモン汁を加えると、この酵素のはたらきが抑えられる。
6. 食事摂取基準(2025年版)
6-1. 18〜64歳の基準
| ビタミン | 指標 | 男性 | 女性 | 単位 |
|---|---|---|---|---|
| ビタミンA | 推奨量 | 850〜900 | 650〜700 | μgRAE/日 |
| ビタミンA | 耐容上限量 | 2,700 | 2,700 | μgRAE/日 |
| ビタミンD | 目安量 | 9.0 | 9.0 | μg/日 |
| ビタミンD | 耐容上限量 | 100 | 100 | μg/日 |
| ビタミンE | 目安量 | 6.5 | 5.0〜6.0 | mg/日 |
| ビタミンK | 目安量 | 150 | 150 | μg/日 |
| ビタミンB1 | 推奨量 | 1.1〜1.2 | 0.8〜0.9 | mg/日 |
| ビタミンB2 | 推奨量 | 1.6〜1.7 | 1.2 | mg/日 |
| ナイアシン | 推奨量 | 15〜16 | 11〜12 | mgNE/日 |
| ビタミンB6 | 推奨量 | 1.5 | 1.2 | mg/日 |
| ビタミンB12 | 目安量 | 4.0 | 4.0 | μg/日 |
| 葉酸 | 推奨量 | 240 | 240 | μg/日 |
| パントテン酸 | 目安量 | 6 | 5 | mg/日 |
| ビオチン | 目安量 | 50 | 50 | μg/日 |
| ビタミンC | 推奨量 | 100 | 100 | mg/日 |
6-2. 2025年版で変わったところ
| ビタミン | 2020年版 | 2025年版 | 理由 |
|---|---|---|---|
| ビタミンB12 | 推奨量 2.4μg | 目安量 4.0μg | 従来の推奨量では、適正な栄養状態を保つには少ない可能性が指摘されたため、体内の状態を示す検査値にもとづく目安量に改めた |
| ビタミンD | 目安量 8.5μg | 目安量 9.0μg | 算定に用いる根拠が見直された。あわせて、適度な日光浴を心がけることが明記された |
6-3. 妊娠と葉酸
妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の女性は、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを減らすため、ふだんの食事に加えて、サプリメントや栄養素を強化した食品から、葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)を1日400μgとることが望まれる。
神経管は、妊娠のごく初期(妊娠に気づく前の時期)につくられる。そのため、妊娠がわかってからではなく、妊娠を計画した時点からとり始めることが大切である。
このほか、妊娠中期・後期には、葉酸の推奨量に240μgが付加される(第11章参照)。
7. ビタミンに似たはたらきをもつ物質
食事摂取基準の13種類のほかにも、体内である程度つくられるため、ビタミンには数えないものの、似たはたらきをもつ物質がある。これをビタミン様物質という。コエンザイムQ10、カルニチン、イノシトール、コリンなどがある。
8. 製菓とのつながり
| 材料 | 多いビタミン | 菓子づくりで知っておきたいこと |
|---|---|---|
| いちご、キウイフルーツ、柑橘類 | ビタミンC | 生のまま使うフルーツタルトやショートケーキは、ビタミンCを失わずにとれる。切ってから時間をおくと、酸化して減る |
| レモン果汁 | ビタミンC | 切ったりんごやバナナの変色を防ぐのは、ビタミンCの抗酸化作用による |
| アーモンド、ヘーゼルナッツ | ビタミンE | ナッツの油脂の酸化を、ビタミンEが防いでいる |
| 卵黄 | ビタミンA、D、B2、ビオチン | カスタードクリームの黄色はカロテノイドなどの色 |
| かぼちゃ、にんじん、抹茶 | β-カロテン(プロビタミンA) | かぼちゃのプリン、キャロットケーキ。油脂と一緒に使うと吸収がよい |
| 牛乳、生クリーム | ビタミンB2、A | 光に当てるとビタミンB2がこわれ、風味も悪くなる |
| 生の卵白 | (アビジン) | 生のメレンゲを大量に食べ続けるとビオチンの吸収を妨げる。加熱すれば心配ない |
食品添加物としてのビタミン
ビタミンは、食品添加物としても使われている。たとえば、L-アスコルビン酸(ビタミンC)やトコフェロール(ビタミンE)は酸化防止剤として、β-カロテンやリボフラビン(ビタミンB2)は着色料として使われる。表示のしかたは、衛生法規の食品表示法の章を参照のこと。
試験対策:よくある間違いポイント
試験に出る文です。正しい文(○)と間違った文(×)がまざっています。選んでから答えを確かめてください。
Q1ビタミンは無機質であり、体の構成成分になる
Q2妊娠を計画している女性は、葉酸をサプリメントから1日40μgとることが望まれる
Q3ビタミンDは、体内では合成されない
Q4ビタミンB1は、豚肉や玄米に多く含まれる
Q5ビタミンDは、鉄の吸収を促進する
Q6ビタミンB2は熱に弱いが、光には強い
Q7脂溶性ビタミンは、ビタミンA・B・C・Dである
Q8葉酸が欠乏すると、夜盲症になる
Q9水溶性ビタミンは、体内に蓄積されやすく、過剰症が起こりやすい
Q10ビタミンCは、植物性食品に含まれる鉄の吸収を促進する
Q11食事摂取基準(2025年版)では、ビタミンDの目安量は成人で9.0μg/日である
Q12ビタミンB12は、野菜や果物に多く含まれる
Q13脂溶性ビタミンは、油と一緒にとると吸収がよくなる
Q14ビタミンは、エネルギー源として1gあたり4kcalを生み出す
Q15ビタミンB2が欠乏すると、ペラグラになる
Q16ビタミンDが欠乏すると、夜盲症になる
Q17β-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変わる
Q18ビタミンB1が欠乏すると、壊血病になる
Q19ビタミンB12は、分子の中にコバルトを含む
Q20ビタミンCは脂溶性ビタミンである
Q21ビタミンB12は、胃で吸収される
Q22ビタミンAが欠乏すると、くる病になる
Q23ビタミンCの推奨量は、成人で1日50mgである
Q24妊娠初期にビタミンAをとりすぎると、胎児に奇形が生じるおそれがある
Q25ビタミンB1は、脂質の代謝に最も深くかかわる
Q26ビタミンKは、抗酸化作用をもち、細胞膜を守る
Q27食事摂取基準(2025年版)では、ビタミンB12の推奨量は2.4μg/日である
Q28生の卵白に含まれるアビジンは、ビタミンCの吸収を妨げる
Q29ビタミンCは、コラーゲンの合成に必要である
Q30ナイアシンは、必須アミノ酸のリシンから体内で合成される
Q31ビタミンCが欠乏すると、脚気になる
Q32新生児はビタミンKが不足しやすいため、ビタミンK2シロップを与える
Q33水溶性ビタミンは、ゆでると水に溶け出して失われやすい
まとめ
- ビタミンは、微量で体の機能を調節する有機化合物。エネルギーにも体の成分にもならない。食事摂取基準では13種類
- 脂溶性(4種類)=A・D・E・K(「だけ」と覚える)。油と一緒で吸収がよく、たまりやすく過剰症に注意
- 水溶性(9種類)=B1・B2・ナイアシン・B6・B12・葉酸・パントテン酸・ビオチン・C。余ると尿に出る。水や熱で失われやすい
- 欠乏症の組み合わせ:
- A=夜盲症、D=くる病・骨軟化症、E=溶血性貧血(まれ)、K=血液凝固障害
- B1=脚気、B2=口角炎・口内炎、ナイアシン=ペラグラ、B6=皮膚炎
- B12=悪性貧血、葉酸=巨赤芽球性貧血・神経管閉鎖障害、C=壊血病
- はたらきの要点:A=目と粘膜、D=カルシウムの吸収(皮膚で合成)、E=抗酸化、K=血液凝固(新生児にK2シロップ)、B1=糖質の代謝、B2=脂質の代謝・成長、B6=アミノ酸の代謝、B12=赤血球(コバルト、内因子、回腸)、葉酸=DNAの合成、C=コラーゲン・抗酸化・鉄の吸収
- ナイアシンはトリプトファンから、ビタミンAはβ-カロテンから体内でつくられる
- 生の卵白のアビジンはビオチンの吸収を妨げる
- 食事摂取基準2025年版:ビタミンB12は目安量4.0μg(推奨量2.4μgから変更)、ビタミンDは目安量9.0μg、ビタミンCの推奨量100mg、葉酸の推奨量240μg
- 妊娠を計画している女性・妊娠初期の女性は、食事に加えてサプリメントなどから葉酸を1日400μg
※ 本書は「日本人の食事摂取基準(2025年版)」と令和8年(2026年)9月時点の情報にもとづいています。

