栄養学 第一部 栄養素のはなし
炭水化物(糖質と食物繊維)
はじめに
ご飯、パン、めん、いも、そして砂糖。私たちが毎日食べるエネルギーの半分以上は、炭水化物から得ている。炭水化物は、日本人の食事の中心であり、体と脳を動かす最も身近なエネルギー源である。
菓子にとって、炭水化物はまさに土台である。砂糖は甘さだけでなく、しっとり感や焼き色やつやを生み、小麦粉や米粉のでんぷんは生地の骨格をつくる。ジャムを固めるペクチンや、ようかんを固める寒天も、炭水化物の仲間である。
本章では、炭水化物を「糖質」と「食物繊維」に分けて、それぞれの種類、体内でのはたらき、血糖との関係、そして食事摂取基準(2025年版)の基準を整理する。製菓理論の「甘味料」「でんぷん」の章で学んだ材料が、体の中でどうはたらくのかを見ていこう。
1. 炭水化物とは
1-1. 糖質と食物繊維
炭水化物は、炭素(C)・水素(H)・酸素(O)からできている。多くは、炭素と水(H₂O)が結びついたような形の式で表せることから、「炭水化物」と名づけられた。
炭水化物は、体の中でのはたらきによって、次の2つに分けられる。
| 分類 | 内容 | エネルギー |
|---|---|---|
| 糖質 | ヒトの消化酵素で消化・吸収され、エネルギー源になるもの | 1gあたり約4kcal |
| 食物繊維 | ヒトの消化酵素で消化されないもの | 1gあたり約0〜2kcal(腸内細菌の発酵による) |
炭水化物=糖質+食物繊維 である。食品の栄養成分表示で「炭水化物」と書かれている値には、糖質と食物繊維の両方が含まれている。
2. 糖質の種類
糖質は、それ以上分解できない最小単位である単糖がいくつつながっているかによって分類される。
2-1. 単糖類
| 名称 | 別名 | 特徴 | 多く含む食品 |
|---|---|---|---|
| ブドウ糖 | グルコース | 血液中の糖(血糖)。体の最も重要なエネルギー源 | 果物、はちみつ |
| 果糖 | フルクトース | 糖類の中で最も甘い。冷やすと甘みが強くなる | 果物、はちみつ |
| ガラクトース | ― | 単独ではほとんど存在せず、乳糖の成分として含まれる | 牛乳(乳糖として) |
このほか、炭素が5つの単糖(五炭糖)であるリボースは、遺伝情報を担う核酸(RNA)やエネルギー物質(ATP)の成分である。
2-2. 二糖類
単糖が2つ結びついたもの。
| 名称 | 別名 | 構成 | 多く含む食品 |
|---|---|---|---|
| ショ糖 | スクロース | ブドウ糖+果糖 | 砂糖(さとうきび、てんさい) |
| 麦芽糖 | マルトース | ブドウ糖+ブドウ糖 | 水あめ、麦芽 |
| 乳糖 | ラクトース | ブドウ糖+ガラクトース | 牛乳、母乳 |
| トレハロース | ― | ブドウ糖+ブドウ糖(麦芽糖とは結合のしかたが違う) | きのこ、酵母。でんぷんからつくられ、菓子にも使われる |
ショ糖を酸や酵素で分解して、ブドウ糖と果糖の混合物にしたものを転化糖という。はちみつの主成分も、ブドウ糖と果糖である。
2-3. 少糖類(オリゴ糖)
単糖が3〜10個程度つながったもの。
| 名称 | 特徴 |
|---|---|
| フラクトオリゴ糖 | ごぼう、玉ねぎに含まれる |
| ガラクトオリゴ糖 | 母乳に含まれる |
| ラフィノース、スタキオース | 大豆に含まれる |
これらのオリゴ糖の多くは、ヒトの消化酵素で消化されにくく、大腸まで届いてビフィズス菌などの腸内細菌のえさになる。おなかの調子を整える特定保健用食品にも利用されている。
2-4. 多糖類
単糖がたくさん(数百〜数千個以上)つながったもの。
| 名称 | 構造 | 特徴 |
|---|---|---|
| でんぷん | ブドウ糖がたくさんつながったもの。アミロース(直鎖状)とアミロペクチン(枝分かれ状)からなる | 植物がたくわえるエネルギー。穀類・いも類・豆類に多い |
| グリコーゲン | ブドウ糖がたくさんつながり、アミロペクチンよりさらに細かく枝分かれしたもの | 動物がたくわえるエネルギー。肝臓と筋肉にたくわえられる |
| デキストリン | でんぷんが途中まで分解されたもの | 水あめや粉あめに含まれる |
アミロースとアミロペクチン
| アミロース | アミロペクチン | |
|---|---|---|
| 形 | まっすぐな鎖 | 枝分かれした鎖 |
| ヨウ素でんぷん反応 | 青色 | 赤紫色 |
| うるち米 | 約20% | 約80% |
| もち米 | ほぼ0% | ほぼ100% |
もち米がもちもちと粘るのは、枝分かれしたアミロペクチンがからみ合うためである。
2-5. 糖アルコール
糖を還元(水素を加える)してつくった甘味料で、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトールなどがある。
- 消化・吸収されにくく、砂糖よりエネルギーが低い(エリスリトールはほぼ0kcal)
- 血糖値を上げにくい
- 口の中の細菌に利用されにくく、むし歯の原因になりにくい
- 一度にたくさんとると、おなかがゆるくなる(下痢)ことがある
3. 糖の甘さ(甘味度)
ショ糖(砂糖)の甘さを100としたときの、各糖の甘さの目安を甘味度という。
| 糖 | 甘味度(ショ糖=100) |
|---|---|
| 果糖 | 約120〜170(低温ほど甘い) |
| 転化糖 | 約110〜120 |
| ショ糖 | 100(基準) |
| キシリトール | 約100 |
| ブドウ糖 | 約60〜70 |
| ソルビトール | 約60 |
| トレハロース | 約45 |
| 麦芽糖 | 約30〜40 |
| 乳糖 | 約15〜30(最も甘くない) |
果糖は、冷やすと甘みを強く感じる形に変わる。果物を冷やすと甘く感じるのはこのためである。製菓理論の「甘味料」の章もあわせて確認しておくとよい。
4. 糖質のはたらき
4-1. 主なはたらき
| はたらき | 内容 |
|---|---|
| エネルギー源 | 1gあたり約4kcal。消化・吸収が速く、すぐにエネルギーになる |
| 脳・神経・赤血球のエネルギー源 | 脳や神経は、ふだんはブドウ糖を主なエネルギー源としている。赤血球はブドウ糖しか使えない |
| たんぱく質節約作用 | 糖質を十分にとると、たんぱく質がエネルギーとして使われずにすむ(第2章参照) |
| 脂質の代謝を助ける | 糖質が不足すると、脂肪の分解が進みすぎてケトン体が増える(第3章参照) |
| 体の成分 | ごく一部は、糖たんぱく質・糖脂質・核酸などの成分になる |
脳とブドウ糖
脳は体重の約2%の重さしかないが、体全体のエネルギーの約20%を使っている。通常、脳はブドウ糖を主なエネルギー源としている。ただし、絶食が何日も続いて糖質がなくなると、脳は脂肪からつくられるケトン体もエネルギー源として使えるようになる。試験では「脳のエネルギー源=ブドウ糖」と覚えておけばよいが、「唯一」と言い切ることはできない。
4-2. 糖質の代謝とビタミンB1
糖質をエネルギーに変えるときには、ビタミンB1が必要である。糖質を多くとる人ほど、ビタミンB1の必要量も増える。白米や砂糖ばかりをとってビタミンB1が足りないと、エネルギーをうまくつくれず、疲れやすくなったり、脚気になったりする(第5章参照)。
5. 体の中での糖質の使われ方
5-1. 吸収されたブドウ糖のゆくえ
糖質は、消化されて単糖(主にブドウ糖)になり、小腸から吸収されて、門脈を通って肝臓に運ばれる(第7章参照)。そこから先は、次のように使われる。
- すぐにエネルギーとして使われる:血液にのって全身の細胞に運ばれ、エネルギーになる
- グリコーゲンとしてたくわえられる:肝臓と筋肉で、グリコーゲンにつくり変えてためておく
- 脂肪としてたくわえられる:グリコーゲンとしてためきれない分は、中性脂肪につくり変えられ、脂肪組織にたくわえられる
5-2. 肝臓のグリコーゲンと筋肉のグリコーゲン
| 肝臓のグリコーゲン | 筋肉のグリコーゲン | |
|---|---|---|
| 量(成人の目安) | 約100g | 約300g前後(筋肉量で変わる) |
| はたらき | 分解してブドウ糖にもどし、血液中に出す。食事と食事の間の血糖値を保つ | その筋肉自身が動くためのエネルギーとして使う |
| 血糖値への影響 | 血糖値を保つ | 血糖値の維持には使われない |
5-3. 血糖値
血液中のブドウ糖の濃さを血糖値という。健康な人の空腹時の血糖値は、おおむね70〜100mg/dL程度に保たれている。
- 食事をすると血糖値が上がり、膵臓からインスリンが出て、血糖値を下げる
- 空腹になると血糖値が下がり、グルカゴンなどが出て、肝臓のグリコーゲンを分解して血糖値を上げる(第9章参照)
血糖値が下がりすぎると(低血糖)、冷や汗、ふるえ、動悸、強い空腹感が現れ、さらに下がると意識を失うこともある。反対に、血糖値が高い状態が続くのが糖尿病である(第10章参照)。
5-4. 糖新生
食事をしない時間が長く続き、肝臓のグリコーゲンが少なくなると、肝臓(と腎臓)で、糖質以外のものからブドウ糖をつくり出す。これを糖新生という。
| 糖新生の材料 | 出どころ |
|---|---|
| アミノ酸 | 筋肉などのたんぱく質を分解したもの |
| 乳酸 | 激しい運動で筋肉にたまったもの |
| グリセロール | 中性脂肪を分解したもの |
脂肪酸からはブドウ糖をつくれない(第3章参照)。そのため、糖質が不足した状態が続くと、筋肉のたんぱく質が分解されて糖新生に回され、筋肉が減っていく。
5-5. グリセミック・インデックス(GI)
食品を食べたあとの血糖値の上がりやすさを、ブドウ糖を基準(100)にして示した値をグリセミック・インデックス(GI)という。
- 精白したパン・白米・砂糖など、消化吸収の速い糖質はGIが高い
- 全粒穀物、豆類、乳製品など、食物繊維・たんぱく質・脂質を含む食品はGIが低い傾向がある
- 同じ食品でも、食物繊維の多い野菜や、たんぱく質・脂質を一緒にとると、血糖値の上がり方がゆるやかになる
6. 乳糖不耐症
牛乳を飲むと、おなかがごろごろしたり、下痢をしたりする人がいる。これは、小腸で乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)のはたらきが弱く、分解されなかった乳糖が大腸に届いて、腸内細菌に発酵されたり、水分を引き寄せたりするためである。これを乳糖不耐症という。
- 乳児はラクターゼを多くもつが、成長とともに減る。日本人を含むアジア人には、大人になるとラクターゼのはたらきが弱くなる人が多い
- 少しずつ飲む、温めて飲む、乳糖を分解した牛乳を選ぶなどの工夫で症状をやわらげられる
- ヨーグルトやチーズは、製造の過程で乳糖の一部が分解されたり、取り除かれたりしているため、症状が出にくい
乳糖不耐症は、免疫のはたらきによる牛乳アレルギーとは別のものである。
7. 食物繊維
7-1. 食物繊維とは
食物繊維は、「ヒトの消化酵素で消化されない、食品中の成分の総体」と定義される。かつては「食べものの残りかす」と考えられていたが、現在は、体の健康に大切なはたらきをもつ成分として重視されている。
7-2. 水溶性と不溶性
| 分類 | 主な成分 | 多く含む食品 | 主なはたらき |
|---|---|---|---|
| 水溶性食物繊維 | ペクチン(果物)、グルコマンナン(こんにゃく)、アルギン酸(昆布・わかめ)、寒天の成分(アガロース)、β-グルカン(大麦・オーツ麦)、難消化性デキストリン | 果物、海藻、こんにゃく、大麦 | 水に溶けて粘りを出し、胃や腸での移動をゆるやかにする。食後の血糖値の上昇をゆるやかにする。コレステロールの吸収を抑える |
| 不溶性食物繊維 | セルロース、ヘミセルロース、リグニン(野菜・穀類)、キチン(えび・かにの殻、きのこ) | 穀類(玄米・全粒粉)、豆類、野菜、きのこ | 水を吸ってかさを増し、腸を刺激して便通をよくする |
7-3. 食物繊維のはたらき
- 便通をよくする:便の量を増やし、やわらかくし、腸の動きをうながす。便秘を予防する
- 腸内環境を整える:大腸で腸内細菌(ビフィズス菌など)のえさになり、発酵されて短鎖脂肪酸がつくられる。短鎖脂肪酸は腸の細胞のエネルギーになり、腸の環境を整える
- 血糖値の急な上昇を防ぐ:糖の吸収をゆるやかにする
- コレステロールを下げる:コレステロールからつくられる胆汁酸を吸着して便と一緒に出し、血液中のコレステロールを下げる
- 満腹感を得やすくする:よくかむ必要があり、胃の中でふくらむため、食べすぎを防ぐ
- 有害な物質を外に出す:腸の中の有害な物質を吸着し、便と一緒に排出する
これらのはたらきから、食物繊維は、便秘、肥満、糖尿病、脂質異常症、大腸がんなどの予防に役立つと考えられている。
とりすぎると
一度にたくさんとると、おなかが張ったり、下痢をしたりすることがある。また、カルシウム・鉄・亜鉛などのミネラルの吸収を妨げることがある。ふつうの食事でとりすぎになることはまれだが、サプリメントなどでとる場合は注意が必要である。
7-4. 食物繊維を多く含む食品
| 食品群 | 例 |
|---|---|
| 穀類 | 玄米、胚芽米、大麦、ライ麦、全粒粉、オートミール |
| 豆類 | 大豆、あずき、いんげん豆、ひよこ豆 |
| 野菜 | ごぼう、ブロッコリー、かぼちゃ、オクラ |
| きのこ | しいたけ(特に干ししいたけ)、えのきたけ |
| 海藻 | 寒天、ひじき、わかめ、昆布 |
| いも | さつまいも、こんにゃく |
| 果物 | りんご、キウイフルーツ、ドライフルーツ |
精白した穀類(白米、白い小麦粉)は、ぬかや外皮が取り除かれているため、食物繊維が少ない。
8. 食事摂取基準(2025年版)
8-1. 炭水化物
| 指標 | 基準 |
|---|---|
| 目標量 | 1歳以上 50〜65%エネルギー |
| 推定平均必要量・推奨量・目安量 | 設定しない |
- 炭水化物の必要量ははっきりしておらず、ふつうの食事では十分にとれているため、不足を防ぐための基準は設けられていない
- 目標量は、たんぱく質と脂質の目標量を決めたうえで、その残りとして決められている
- 目標量の範囲にはアルコールも含まれる。ただし、アルコールの摂取を勧めるものではない。2025年版では、アルコールは「栄養素ではない」と明記され、エネルギー産生栄養素バランスの項で扱われるようになった
8-2. 食物繊維
| 年齢 | 目標量(g/日以上)男性 | 目標量(g/日以上)女性 |
|---|---|---|
| 18〜29歳 | 20 | 18 |
| 30〜49歳 | 22 | 18 |
| 50〜64歳 | 22 | 18 |
| 65〜74歳 | 21 | 18 |
| 75歳以上 | 20 | 17 |
- 生活習慣病の予防の観点からは、少なくとも1日25g以上とることが望ましいとされる。しかし、日本人の現在の摂取量はそれより少ないため、実現可能な値として、25gと現在の摂取量の中間の値をもとに目標量が決められている
- 3歳以上の子どもにも目標量が設定されている
- 2020年版では「18〜64歳 男性21g以上・女性18g以上」だった
8-3. 糖類(砂糖など)
2025年版では、糖類(砂糖などの甘味料)の基準は設定されていない。日本の食品成分表には、食品にあとから加えられた糖類の量がまとめられておらず、摂取量を正確に把握できないためである。
参考として、世界保健機関(WHO)は2015年に、食品に加えられた糖類や、はちみつ・果汁に含まれる糖類(遊離糖類)を、総エネルギーの10%未満にすること、さらに5%未満にとどめるとより健康によいことを勧めている。1日2,000kcalの人なら、10%は約50g(砂糖で大さじ5杯程度)、5%は約25gにあたる。
9. 製菓とのつながり
| 材料 | 主な炭水化物 | 菓子づくりでのはたらき | 栄養学で知っておきたいこと |
|---|---|---|---|
| 砂糖(上白糖・グラニュー糖) | ショ糖 | 甘み、保水性(しっとり感)、焼き色、つや、泡の安定 | ブドウ糖+果糖。エネルギー源。とりすぎに注意 |
| 転化糖、はちみつ | ブドウ糖+果糖 | 甘みが強い、乾燥を防ぐ、焼き色がつきやすい | はちみつは1歳未満の乳児に与えない(第11章参照) |
| 水あめ | 麦芽糖、デキストリン | つや、結晶化を防ぐ、粘り | 甘さはひかえめ |
| トレハロース | トレハロース | でんぷんの老化を防ぐ、甘さひかえめ | ブドウ糖2つからなる二糖類 |
| マルチトール、エリスリトールなど | 糖アルコール | 低カロリー菓子、「糖類ゼロ」の菓子 | 血糖値を上げにくいが、とりすぎるとおなかがゆるくなる |
| 小麦粉、米粉、くず粉、片栗粉 | でんぷん | 生地の骨格、とろみ、もちもち感 | 加熱して糊化すると消化されやすくなる |
| 果物、ジャム | ペクチン、果糖 | ジャム・ゼリーのゲル化 | ペクチンは水溶性食物繊維 |
| 寒天 | アガロースなど | ようかん・みつ豆を固める | ほとんどが食物繊維で、エネルギーはわずか |
| 牛乳 | 乳糖 | 焼き色(メイラード反応)、風味 | 乳糖不耐症の人に注意 |
でんぷんの糊化・老化と消化
生のでんぷんは、粒の構造がしっかりしていて消化されにくい。水と一緒に加熱すると粒がこわれて糊化(α化)し、消化酵素がはたらきやすくなる。冷めると再び構造が締まる老化(β化)が起き、消化されにくくなる。老化したでんぷんの一部は、食物繊維に近いはたらきをする(難消化性でんぷん)。製菓理論の「でんぷん」の章とあわせて理解しておきたい。
「糖類ゼロ」と「糖質ゼロ」
食品表示のルールでは、「糖類」は単糖類と二糖類(糖アルコールを除く)を、「糖質」は炭水化物から食物繊維を除いたもの全体を指す。食品100gあたり0.5g未満であれば「ゼロ」「ノン」と表示できる。「糖類ゼロ」の菓子でも、でんぷんや糖アルコールは含まれていることがあり、エネルギーがゼロとは限らない。
試験対策:よくある間違いポイント
試験に出る文です。正しい文(○)と間違った文(×)がまざっています。選んでから答えを確かめてください。
Q1糖類の中で最も甘いのはブドウ糖である
Q2糖質を十分にとると、たんぱく質がエネルギー源として使われずにすむ
Q3食事摂取基準(2025年版)で、成人の食物繊維の目標量は1日25g以上である
Q4でんぷんは、加熱して糊化すると消化されやすくなる
Q5もち米のでんぷんは、ほとんどがアミロースである
Q6こんにゃくのグルコマンナンは、水溶性食物繊維である
Q7筋肉のグリコーゲンは、分解されて血糖値の維持に使われる
Q8ペクチンは不溶性食物繊維である
Q9食物繊維は、大腸で腸内細菌に発酵されて短鎖脂肪酸になる
Q10糖新生では、脂肪酸からブドウ糖がつくられる
Q11セルロースは水溶性食物繊維である
Q12炭水化物は、糖質とたんぱく質からなる
Q13炭水化物の目標量は、1歳以上で50〜65%エネルギーである
Q14糖アルコールは、むし歯の原因になりにくい
Q15グリコーゲンは、植物がたくわえる多糖類である
Q16ショ糖は、ブドウ糖とガラクトースが結合した二糖類である
Q17赤血球は、脂肪酸をエネルギー源として使うことができる
Q18ガラクトースは二糖類である
Q19食物繊維は、ヒトの消化酵素で分解され、1gあたり4kcalのエネルギーになる
Q20糖質の代謝には、ビタミンCが必要である
Q21肝臓のグリコーゲンは、血糖値を一定に保つために使われる
Q22乳糖は、ショ糖より甘い
Q23食事摂取基準(2025年版)では、糖類の目標量が設定されている
Q24食物繊維は、コレステロールの吸収を促進する
Q25ブドウ糖・果糖・ガラクトースは単糖類である
Q26乳糖は、ブドウ糖とガラクトースが結合した二糖類である
Q27食物繊維は、たくさんとるほどミネラルの吸収がよくなる
Q28炭水化物の目標量は、成人で20〜30%エネルギーである
Q29でんぷんは、アミロースとアミロペクチンからなる
Q30麦芽糖は、ブドウ糖と果糖が結合したものである
Q31乳糖不耐症は、牛乳のたんぱく質に対するアレルギーである
まとめ
- 炭水化物=糖質+食物繊維。糖質は1gあたり4kcal、食物繊維は消化されず約0〜2kcal
- 単糖類=ブドウ糖・果糖・ガラクトース。二糖類=ショ糖(ブドウ糖+果糖)・麦芽糖(ブドウ糖+ブドウ糖)・乳糖(ブドウ糖+ガラクトース)
- 多糖類=でんぷん(植物:アミロースとアミロペクチン。もち米はほぼアミロペクチン)、グリコーゲン(動物:肝臓と筋肉)
- 甘味度は果糖が最も高く(冷やすとさらに甘い)、乳糖が最も低い
- 糖質は、主要なエネルギー源。脳はふだんブドウ糖を使い、赤血球はブドウ糖だけを使う。たんぱく質節約作用がある。代謝にはビタミンB1が必要
- 余った糖質はグリコーゲン、さらに中性脂肪としてたくわえられる。肝臓のグリコーゲンだけが血糖値の維持に使われる
- 空腹時の血糖値はおおむね70〜100mg/dL。インスリンが下げ、グルカゴンなどが上げる
- 糖新生の材料は、アミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪酸は不可)
- 乳糖不耐症はラクターゼの不足によるもので、アレルギーとは別。ヨーグルト・チーズは症状が出にくい
- 食物繊維は、水溶性(ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、寒天)と不溶性(セルロース、キチン)。便通・腸内環境・血糖・コレステロールの改善。とりすぎはミネラルの吸収を妨げる
- 食事摂取基準2025年版:炭水化物50〜65%エネルギー、食物繊維は男性20〜22g以上・女性18g以上(望ましいのは25g以上)、糖類は基準なし(WHOは遊離糖類を総エネルギーの10%未満、できれば5%未満)
※ 本書は「日本人の食事摂取基準(2025年版)」と令和8年(2026年)9月時点の情報にもとづいています。

